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本編

その後も、それぞれ就職し、

ほとんど会う機会は

無くなってしまった。

サクラコの事は良く知らない。

最近はSNSやメッセージアプリ

が充実しているから、

直接は会えなくても、

連絡を取る事はしていた。

 

恋愛事情を除いて、近況や

仕事の話、懐かしい思い出話など

ちょこちょこ伝え合っていた。

恋愛は例外というのは、

カオルコは奥手というか、

やっぱり長年の影響があるのか、

男性に対して

引っ込み思案だった。

私の方は、大学時代から

彼氏が出来たり別れたりと、

これまたごく無難な

恋愛経験を積んできた。

でも、カオルコは

そういう話を一切しない。

私からも切り出しにくくて、

彼氏にまつわる話題は

何となく避けていたのだ。

 

そんな感じで、細々と

つながっていた私達だったが、

最近事情が変わった。

普段はメッセージが多い

カオルコが、珍しく

電話をしてきた。

 

カオルコ「スカ美!

私、転勤になったの。

久々に、地元へ戻るよ」

 

スカ美「ほんと!嬉しいな、

またカオルコと会えるんだ」

 

カオルコ「私も嬉しい!

おしゃべりしようね、

楽しみにしてるよ」

 

関西に本社がある企業に

就職した彼女は、関東支社に

転勤すると決まったそうだ。

しかも地元に帰るという。

連絡があってまもなく、

約6年ぶりに、親友は

こちらに戻って来た。