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本編
課長「それじゃあ、今から別室に
モモコ君を呼び出すから、君達は
モモコ君と顔を合わせないように、
入れ替わりで席に戻りなさい」
ミワ先輩「はい。わかりました」
スカミ「ありがとうございます」
ミワ先輩と私は、自分達のデスクに
戻って仕事を始めました。
こんな状況にも関わらず、意外にも
仕事はサクサクはかどりました。
モモコの視線を気にせずに仕事が
出来ることは、こんなにも
気が楽だったのかと、驚きました。
モモコは小さな会議室で、
課長と話し合いの後、始末書を
書かされているとのことでした。
昼休みには、ミワ先輩が
「モモコと顔を合わせなくて
済むように、いつもの昼休憩の前後に
15分ずつプラスして、少し遠い
カフェまでランチをしに行こう!」
と、提案してくれました。
モモコは、午後からも引き続き
会議室に居るようでした。
3時ごろ、ミワ先輩が
「モモコのご両親が来たみたい。
行ってくるね」と、
話し合いに出向いていきました。
4時ごろに私も呼ばれ、
緊張しながら会議室に入りました。
モモコは私の顔を見て、
ニヤッと笑いましたが、
目は笑っていませんでした。
話し合いの結果、モモコには
出勤停止3日の懲戒処分が
下されることに決まった、
とのことでした。
ご両親は私に向かって
「ご迷惑をお掛けして申し訳ない」
「嫌な思いをさせてしまって
ごめんなさい」と
謝罪をしてくれましたが、
モモコはその間もずっと無言で、
口元に薄っすらと笑いを浮かべ、
目だけはジッと私を
見ていたのでした…
その日の退社時間、予告通り
会社まで迎えに来てくれたサキと
アヤは、左右から私に腕を組み、
「気分転換に、何か美味しいもの
食べに行こう!」と言って、
はずむように歩き出しました。
個室の居酒屋に入った私達は、
ガヤガヤと賑やかな空気に
浮かされて、あれこれと注文し、
やがてテーブルに乗り切らない程の
料理が運ばれて来ました。
私は食べたり飲んだりしながら、
今日の出来事を一通り話し
終えました。「お疲れ〜!!」と、
改めて乾杯をした後で、
まずアヤが話し始めました。