前回の内容はこちら▼
【第11話】夫が寝言で衝撃の一言を発し、私は姿を消した…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 帰宅したユウスケは、 私の顔を見るなり抱き締めようと してきたが、私は能面のような顔で それを押しのけ、無言のまま、 最初の調査報告書と、 家を出た日にコピーを置いていった 証拠写真...
1話から読みたい方はこちら▼
【第1話】夫が寝言で衝撃の一言を発し、私は姿を消した…
こちらもおすすめ▼ 本編 私は、寝言がきっかけで離婚した… 信じられないかもしれないが、 本当の話だ。 たかが寝言…されど寝言… 他愛もない寝言で、 人生が一変してしまう事だって あるのだ…… 私の名前はスカコ。38歳、 専業主婦。 小学2...
本編
何も知らされないまま針のむしろに
座らされる事になるアカネを、
私は少し不憫に思った。
重苦しい沈黙の中、お茶を淹れたり
しながら15分程待っていると、
玄関のチャイムが鳴った。
闘いのゴングのようにも聞こえる
チャイムの音を聞きながら、
私はユウスケに出迎えるよう言った。
何も知らずにやって来たアカネは、
何やら楽しそうに話しながら
弾むような笑顔で部屋に入ってきたが
私を見た瞬間、驚愕の表情を浮かべて
凍りついた。
アカネ「え……なんで……」
スカコ「どうも初めまして。
とりあえず、ここに
座ってもらえるかしら?」
初めて会う、可愛らしいアカネを
前にしても、私の心は自分でも
驚くほどに凪いでいた。
アカネは助けを求めるように
ユウスケを見たが、
先に自分の席に着いたユウスケは、
前を見たままアカネと
目を合わせようとせず、
アカネは戸惑いながら、
仕方なくユウスケの隣に座った。
(さぁ、これで役者は全員揃ったわ!
いよいよ制裁タイムの始まりね…)
スカコ「なぜ呼ばれたのか、
分かるわよね?」
アカネ「え〜っと…私は…
ユウスケさんの後輩で……」
スカコ「そんな茶番は
やめてちょうだい。
もう証拠は全部揃ってるの。
事実だけ確認して、
さっさと終わらせましょ」
私は嘘を並べ出しそうなアカネを
遮り、テーブルの上に並べられた
証拠の数々を示しながら、
そう告げた。
アカネは目の前の大量の証拠に初めて
気付いたようで、まん丸になった目で
それらを見回すうちに、
既に血の気の無かった顔が、
どんどん真っ青になって
いったのだった…