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本編

(部屋に戻った時、ツバサは

ベッドの中で泣いてて、

何度も謝っていたはずなのに…)

 

パチンコ屋さんのアルバイトの件と

いい、ツバサは嘘を何とも

思っていないのだ…。

たとえ嘘がバレて、

涙を流して謝った直後でも…。

私はもう二度と、ツバサのことを

心の底から信じる事は出来ないかも

知れない…。そう思った。

 

それから、一旦良くなったかに

見えたツバサの体調は、

その後再び悪化した…。

 

フィジカルな痛みや苦しみが

延々と続くのは、本当に辛かった

だろうし、10ヶ月もかかって

やっと就職できた正社員の仕事に、

行くことが出来ない焦りも

あっただろう。

自分から働いて返すと言った

お金の事も、ツバサを

苦しめていたようだった。

 

私も最大限に気を使って接したつもり

だったが、ツバサをもう心から

信じられなくなってしまったことが、

私の言葉や行動の端々から滲み出て

しまっていたのかも知れない。

結局、単身者用の狭いワンルームで

寄り添いあって暮らすことは、

私達にはもう無理だった…。

 

2人で小さなケーキを買い、

部屋でささやかに祝った

クリスマスの後、

お母さんから「一度実家に帰って

療養したら?」と提案のLINEが

来ると、ツバサはすぐに了承した。

 

私も正直ホッとしたし、

寂しさより開放感の方が大きかった。

私は酷い恋人だ…。

だけどやっぱり、迎えにきた

お母さんとツバサを新幹線の駅で

見送った時には、涙が溢れてきた。