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本編

あれは数年前の12月……。

絶望を抱えて彼氏のアパートを出た

私は、クリスマスのイルミネーション

がキラキラと輝く街並みの中、

1人重い足取りで自宅へと向かった。

27歳だった私・スカミには、

もうすぐ交際3年になる彼氏がいた。

彼氏の名前はツバサ。

ジャニーズ系の可愛い顔をした

“年下彼氏”に、

当時の私は夢中だった。

 

交際3年といっても、

SNSで知り合った私達は、その年の

1月までずっと遠距離恋愛だった。

関西のとある県に住む私と、

東京生まれ・東京育ちのツバサ。

遠距離恋愛時代には、会えるのは

月に1回か、頑張っても2回が

精一杯だったので、

ツバサが、「そばにいたい」と言って

私の近所に引っ越してきてくれて

からは、もうラブラブで…。

 

楽しくて仕方がない毎日だった。

私が趣味を兼ねた、少し変わった

レジャー関係の仕事をしていた為、

転職が難しいので、

ツバサは、それまで働いていた

フリーターの仕事を辞めてまで、

私の地元に引っ越して来てくれたのだ

見た目がこんなにもイケてるん

だから、東京でも絶対モテモテの

はずなのに…。私のために…。

アイドル級美男子・ツバサからの、

積極的で一途な愛情表現に、

私はすっかりラブストーリーの

ヒロイン気分だった。

 

正直、調子に乗っていた…。

それはもう、

かなり調子に乗っていた…。

周りが全く見えておらず、

正確な状況判断も出来ないほどに…。

住んでいたワンルームマンションの

契約更新をしたばかりだった私は、

とりあえず、私の部屋で一緒に

暮らそうかとツバサに

提案したのだが…