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本編

保育園への送迎は、

引き続き祖父母がやってくれた。

その時の私にとって、保育園は

何の不安もなく安心して過ごせる

唯一の場所だったが、

『母』のことは、子供心に『禁忌』の

ように感じていて、お友達にも

先生にも、何も話せなかった。

 

やがて『母』が普通に外出できる

ようになると、保育園への送迎は

『母』の担当になった。

ほのかに期待していたものの、

先生たちも、『母』に対して

普通に接していたので、

私はもう、完全に『母』を母として

受け入れるしかなくなった。

『母』は確かに優しかったし、

私を大事に扱ってくれた。

愛情も、ちゃんと注いでくれて

いたように思う。

 

だが、かすかな違和感は

消えないままずっと残り続け、

手を繋いで散歩をしても、

一緒にお風呂に入っても、

絵本を読んで寝かしつけて

もらっても、私はどこか

腑に落ちない気持ちのままだった。

 

生活に不便は無かったし、

特に不満も感じなかったが、

幸せだったのかと聞かれると、

今でもよく分からない。

そんな状態のまま月日は過ぎてゆき、

6歳になった私は、保育園を卒園し、

小学校へ入学した。

家の中は、いたって平和で、

安定していた。

 

祖父母は相変わらず、

離れの部屋で静かに過ごしていたし、

父は以前より早く帰宅して、

土日も家族と過ごすようになり、

夫婦仲は以前よりも

良好なほどだった。

そして私は、違和感にも

すっかり順応し、自分の中の疑問を

無視するようになっていた。

それは一種の生存本能の

ようなものだったのだと思う。

 

母に対する猜疑心も、その頃には

もうほとんど感じなくなっていたが、

それでも時折、ふとした時に感じる

香りに、(やっぱり違う…)と、

密かに悲しくなったりしていたことを

覚えている。