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【第4話】18歳で出産後、彼氏に捨てられた私→駅で出会ったコワモテの人に赤ちゃんを見せると…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 タクヤは幽霊でも見たような 顔になり、いつになく 早口で聞き返して来た。 タクヤ「え?いつから? 今、何ヶ月?」 スカミ「分かんない…怖くて、 誰にも相談出来なかったし… 病院にも行...
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本編
医者「22週以降の中絶は、
法律で禁止されてますんでね」
タクヤ「何とかなりませんかね?
彼女は大学へ進学する予定なんです。
俺もまだ大学2年だし…
子供なんてとても……」
医者「色々事情はお有り
でしょうけど、こちらでは
何ともなりませんね…
お困りでしたら、
自治体の相談窓口へ行ってみては?」
タクヤは何度も頼み込んでいたが、
お医者さんからの答えは変わらず……
私達は無言のまま、
タクヤのマンションに戻った。
この時、私はタクヤに
罵倒されるのではと思っていた。
散々文句を言われ、
捨てられてしまうのだろうと…
ところがタクヤは以前のような
優しい声に戻り、
私にこう言ってくれたのだ。
タクヤ「この前からちょっと
取り乱しちゃって…ごめんね。
スカミ、体調はどう?大丈夫?」
スカミ「え…?う、うん…大丈夫…」
タクヤ「子供の事だけど…
産んでくれるかな?」
スカミ「へっ?…産んでいいの?」
タクヤ「ここまで来ちゃったんだから
しょうがないよ。僕のせいでも
あるんだし。ただ…色々と準備が
必要だから、入籍は子供を産んだ後で
構わないかな?」
スカミ「えっ?あ……
うん、構わないよ!」
タクヤ「今まで1人で怖かっただろ?
ごめんね…今日からは、
もう心配しなくてもいいよ。俺が
スカミとお腹の子をを守るから!」
スカミ「タクヤ君……」
ホッとして、思わず涙を
こぼしてしまった私を、
タクヤは優しく抱きしめてくれた。