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本編
だが、私はその喜ばしい変化を、
出来る限りテツヤから隠し続けた。
変化がバレてしまっては、
離婚の準備をしていることに
気付かれてしまうかもしれない…
途中段階で発覚することは、
何が何でも避けたかった。
私は体形を逆に誤魔化すために、
引き続きダボっとした
地味な服を着続けた。
日焼け止めだけ塗ったスッピンに、
マスクやメガネを装着し、
髪は相変わらず引っ詰め続けた。
幸いなことに、テツヤは私のことなど
見ていなかったので、
変化にも全く気付いていなかった。
興信所には半年に一度、
その後の調査を依頼していたが、
浮気はつつがなく
継続しているようだった。
テツヤは相変わらず毎日遅くまで
遊び呆けていて、帰宅しても
お酒の匂いをさせていたし、
家の中ですれ違っても、
ロクに会話も交わさなかった。
休日はほとんど外出していたのだが、
ごくたまに家に居ると、
テレビを見ながら、アイドルなどを
聞こえよがしに褒めたり
してくるので、本当にウザかった。
テツヤ「おっ!この子、
めっちゃ可愛いな〜!」
(はいはい、分かってますよ!
アンタは若くてキャピキャピした子が
好きなんだよねー?チナツちゃんに
会いたいんなら、さっさと
行けばいいじゃん!
私にイヤミ言ってないでさ!)
私は心の内を隠して、
当たり障りのない返事を返した。
スカコ「そうだね。
最近よく出てるよね」
テツヤ「お前もこれくらい若くて、
痩せてて、可愛ければなぁ〜!
女も30過ぎたら
終わりだよな!www」
(は?お前だってとっくに
30過ぎてるだろうが!
鏡見てから出直して来い!!)
私が能面のような顔で
無視を決め込んでいると、
テツヤはニヤニヤと笑いながら
更に煽って来るのだった。
テツヤ「あ〜あ!この子が
嫁だったら最高なのになぁ〜!
現実はスカコか…
嫌になるなぁ〜ww」
(ウッザ!!!
嫌になってんのはこっちだよ!!!)