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【第11話】結婚式で新婦に顔面ケーキをする新郎友人→新郎は爆笑し…

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本編

驚きと怒りで、

私はぷるぷる震えてしまった。

気配に気づいたらしい。

ケンゴが振り返った。

かなり焦った顔をしている。

 

ケンゴ「ど、どうした?」

 

スカミ「どうしたもこうしたも

ないわよ!今の会話、どう聞いても

よそ様の披露宴を台無しに

してやったって、

ふざけた自称武勇伝だよね?」

 

ケンゴ「いや、酒が入ってたんだろ。

軽いジョークだって」

 

スカミ「軽いジョーク!?

新婦のドレスに火を放つのが、

あなたの中では軽いジョークで

済む話なの!?」

 

ケンゴ「わざとじゃないよ。

マサシはお祝いには花火が

つきものって思ってるヤツなんだよ。

あいつ流のサプライズ

お祝いって感じで」

 

スカミ「披露宴会場で火花を

まき散らしていい理由になるか!」

 

この人、大丈夫?

私が不安になりながら怒鳴った

せいか、義父母も廊下に姿を見せた。

事情を話すと、二人とも大激怒で、

ケンゴは廊下に正座させられ、

まるで小学生がいたずらを叱られる

ような恰好で説教をされた。

 

実に二時間。ぎっちぎちに締め上げ

られ、マサシとは絶交するよう固く

言いつけられ、私も泣きながら

 

スカミ「式にあの人呼んだら離婚ね。

絶対に呼ばないで!

ていうより、関わっても離婚、

何なら電話を受けた時点で離婚」

 

ぐりぐりに離婚を連呼して、やっと

ケンゴをうなずかせたのだった。

 

ケンゴ「ごめん、軽く考えすぎてた。

よく考えたら、ドレスに花火の火を

燃え移らされて、お祝いだと

喜ぶ新婦がいるわけない」

 

スカミ「よく考えなくても、

そのくらい一秒以下で

分かりなさいよ!」

 

さんざん怒鳴った結果、

ケンゴはおとなしくなった。

やれやれ。もう大丈夫……かな。