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本編
エアコンねえ。
確かに使ってはいる。
実は、俺はマンション生活時代、
エアコン無しの物件に住んでいた。
というのも、俺が住んでいる地域は、
日本の地理的に北で、エアコンの
普及が全国平均より下だという
事情がある。
あまりエアコンに慣れていない
住人は、別に珍しくないのだ。
叔父の家はエアコン完備だった。
想像を超える便利さに感動して、
ついつい長時間使ってしまった。
家賃の問題で、可能な限り安い物件を
選んだら、エアコンは自分で
取り付けろという部屋に住み、
くそ暑い中、扇風機と
濡れタオルで乗り切っていた。
思い出してみると、ああ、
確かにつけっぱなしだったなぁ。
会社帰りに部屋が暑いのが嫌すぎて、
誰もいないのに電源いれっぱ
だった日もあったっけ。
ふむ、こう考えると、
この請求は妥当なのかもしれない。
スカオ「分かりました、
どうもありがとうございます」
納得するしかなさそうだ。
どうも引っかかる。そんな気持ちは
あるにはあるが、電気代が高くついて
しまう心当たりが無いとも言えない。
何とも消化不良な気分で、
俺は電力会社との電話を終えた。
スカオ（調子に乗って、
エアコンつけっぱだったもんな。
扇風機しか持ってなかった俺は、
考えが甘かったという事か）
便利とは、金がかかるものらしい。
エアコン初心者の勉強代だと諦めて、
俺は潔く電気代を支払う事にした。
今度はもっと、
節電意識を持たなきゃな。
以前より意識高く、俺はこまめな
スイッチのオンオフに取り組んだ。
エアコンはもちろんの事、
冷蔵庫も必要最低限の開け閉め、
電子レンジはなるべく使わない、
電気ケトルなんてもってのほか。
昔ながらにガスで湯沸かしして、
カップ麺やインスタントコーヒーを
美味しくいただく。
元からアウトドア派の俺は、
休日はできるだけ公園に出向き木陰で
涼をとったり、少し足を伸ばして
ショッピングモールに入り浸ったり、
河畔公園でバーベキューしたり。
考えられる節電は、
片っ端から試してみた。
