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【第7話】バスでキチママに「イヤホンの音漏れがうるさい!」と叩かれた→私「補聴器です」と見せると…

前回の内容はこちら▼

【第6話】バスでキチママに「イヤホンの音漏れがうるさい!」と叩かれた→私「補聴器です」と見せると…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 ピン子「ほらっ!! 起きちゃったじゃないの!! せっかく苦労して寝かしつけた のに!!アンタのせいよ!!」 スカミ「いや…赤ちゃんが起きた のは、私のせいじゃないですよ…...

1話から読みたい方はこちら▼

【第1話】バスでキチママに「イヤホンの音漏れがうるさい!」と叩かれた→私「補聴器です」と見せると…
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本編

ピン子はコワモテさんの見た目と、

重低音の声のド迫力に圧倒された

ようで、何も言えずに固まっていた…

シーンと静まり返った車内……

その時、バスが突然のブレーキで

大きく揺れた。

 

コワモテさんに気を取られていた

ピン子が手を離してしまって

いたのか、ベビーカーが

倒れそうになった。

 

スカミ「あっ!!!」

 

(赤ちゃん…!!!)

 

全てがスローモーションのように

ゆっくりと見えた。

私は慌ててベビーカーを掴もうと

したが、伸ばした手は空を切った。

 

(ベビーカーが!!!倒れる!!!)

 

そう思った瞬間、すぐ前の、

一段高くなった座席から若い男性が

サッと飛び降り、両手でガシッと

ベビーカーを押さえた。

あちこちから安堵の溜息が聞こえ、

運転手さんのアナウンスが響いた。

 

運転手「大変失礼致しました〜。

お怪我をされた客様は

いらっしゃいませんか〜?」

 

「大丈夫で〜す」と

誰かが答える声がした。

バスは再び走り出し、

ピン子は赤ちゃんを助けてくれた

若い男性を押しのけるように

ベビーカーの前に回り込み、

猫なで声で赤ちゃんに話しかけた。

 

ピン子「怖かったでちゅね〜!

よしよし!もう大丈夫でちゅよ〜!」

 

赤ちゃんは火がついたように

泣いていた。

 

コワモテさん「アンタ…

赤ん坊が心配なのは分かるけど、

まずは助けてくれた兄ちゃんに

礼を言うもんだろ?

なにも言わずに恩人を押しのけて…

どういうつもりだ!?」