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本編
サオリ「離婚なんて絶対しない!!
働くなんて嫌だもん!!
実の子供の方は、どうだっていいの!
でもシオンは絶対手放さない!!
ハーフの子供が居ないと、みんなに
自慢できなくなるじゃない!!」
追い詰められ、最後の最後で、
サオリの口から本音が出たのだ。
俺は呆れて言葉が出なかった…。
純粋に、(親としてシオンを
愛しているから離れたくない)
という理由なら、
まだ考慮の余地もあったのに…。
サオリは子供を、自己顕示欲を
満たすための道具としてしか
見ていなかったのだ…。
許すわけにはいかない。
譲歩の可能性は消え失せた。
俺は弁護士に頼んで、すぐに離婚の
手続きに入った。子供の親権は
順当に俺が得ることが出来た。
サオリは義実家に連れ戻され、義両親
の管理の下に置かれることとなり、
あちらの夫婦と俺に支払わなければ
ならない慰謝料の為に、
義両親の指示で強制的に働きに
出されることになったらしい。
サオリにとって最高の
アクセサリーだったシオンは奪われ、
これまでのように贅沢も出来ず、
常に自由を管理され、
働いても働いてもわずかなお小遣い
以外は全て消えてしまう日々…。
サオリ「こんな生活、もうやだー!」
義母「泣いたってダメ!!
全部サオリの自業自得でしょ!!」
義父「もうこれ以上、
私達を失望させないでくれ!!」
少なくとも慰謝料を完済するまでは、
義両親が厳しくサオリを管理して
くれるそうで、少しは安心だ。
義両親は常識的で立派な人達なのに、
サオリは何故あんな風に
育ってしまったんだろう…。
サオリの本性を知った今となっては、
不思議に思えてならなかった。
子育てとは、それほどまでに
難しいものなのだろうか…。
だとしたら、俺はこれからもっと
もっと真剣にシオンと向き合っていく
必要がある。俺は覚悟を新たにした。