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本編

それきり、私達はろくに

会話するでもなく、

冷戦状態を一か月続けた。

こんなのじゃ駄目だわ、

お互い幸せになれない。

私はある決心をした。

リセットするしかないという、

人生の大事な決心だった。

 

スカ子「離婚しよう」

 

通称緑の紙と言われる

届け出用紙をつきつけて、

私はヤスフミに切り出した。

嫌いになったわけじゃ

ないけれど、

このまま夫婦で居続けても、

お互いの心が疲れると

思ったから。

別れてそれっきりなら、

それが私達の運命だったと

思おう。

 

もしリセットして、

何かが変わって、また夫婦に

戻れたなら、それも運命だ。

私がそう告げると、

ヤスフミは泣きそうな顔に

なりながら、しかし頷いた。

どことなくほっとしている

ようにも見えて、

私も胸が痛んだ。

もし、彼が離婚話を聞いて

安心したというなら、

追い詰めた責任の一端は

私にあるだろう。

 

妊活を急かさければ良かったと、

もはや何の役にも立たない

後悔が、私の中で

ぐるぐる渦巻いた。