前回の内容はこちら▼
1話から読みたい方はこちら▼
本編
癌を打ち明けてから4日後、
ノブアキは私を居間に呼んだ。
(やっと受け止める準備が
出来たのね…)
とホッとした私に向かって、
ノブアキは冷たい表情で話し始めた。
ノブアキ「ごめん、スカコ…
君が癌になってしまった以上、
俺たちはもう、夫婦ではいられない。
よりによって癌なんて……
せっかくの人生設計が台無しだよ!
早期発見と言ったって、
癌の治療は長くかかるだろ?
これから始まる闘病生活で、
スカコは外見も中身も、
必ず変わってしまう。
俺はその変化を、
とても受け入れられない。
自分勝手だと言われても、
俺はスカコの為に自分を
変えるつもりはないんだ。
これまで順調に進めてきた俺の
人生を、棒に振りたくないんだよ!
仕事もまだまだ上を目指すつもり
だし、金だって、計画通り貯めたい。
それに…癌は遺伝するから、
お前とじゃ、もう子供も作れない…
俺は健康な子供が
欲しいんだよ!!両親にも、
『うちの家系に癌の
遺伝子を持ち込むな』
と言われたしな…
だからスカコ、悪いけど、別れよう。
本当に俺を愛してるんなら、
俺の幸せを優先してくれるだろ?
大人しく身を引いてくれ」
あまりの言葉に、
私は頭が真っ白になった。
(まるで、私がわざと
癌になったみたいな言い方……
て言うか…何か犯罪でも犯した
みたいな言い方じゃない……)
『病気になったら、
治療すればいいだけの話だろ!』
そう言って笑っていたノブアキの姿が
頭に浮かび、そして儚く
消えていった。
(あの言葉は、
いったい何だったの……?
癌は論外という事なの……?)
それから私は、
(今回ばかりはノブアキに言われる
まま従う訳にはいかない!)と、
何度も話し合おうとしたのだが……
ノブアキは同じような言葉を
繰り返すばかりで、
私が何を言っても聞く耳を持たず、
理論的に説明しても、
泣いて縋っても、「別れてくれ」の
一点張りで……