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本編
(アンタ、鬼だよ、鬼!!
鬼ババアだよ!!!)
だが、鬼ババアの言い逃れを聞いた
とて、サトシもツバサも義父も、
それを信じるようなバカでは無い。
「私じゃないもん…」と涙ぐむ
コズエに向かって、3人とも口々に、
「分かってるよ!」「大丈夫だよ!」
と優しい声で慰めてくれていた。
サトシ「コズエ、ママと一緒にお部屋
に戻って、今夜はもう寝なさい」
サトシが優しい声でコズエを促すと、
コズエは確認するように
私を見上げてきたので、
私もニッコリ微笑みながら頷いて、
コズエと手を繋いだ。
義母「そ、そうね〜!
もうこんな時間だもんね〜!
ツバサももう寝たほうが良いわ〜!
そうだ!今夜は、ばあばと
一緒に寝ましょうよ〜!!」
(はぁ〜??ババアは今から
説教タイムでしょうが!!!
ドサクサに紛れてトンズラしようと
するんじゃないよ!!!)
義父「母さんは
ここに残りなさい!!」
サトシ「話し合わなきゃならない
事が、沢山あるもんなぁ〜…」
ツバサ「ばあちゃん…
これはさすがに逃れられないよ…」
義父だけでなく、ツバサとサトシまで
怒らせてしまったことに
ようやく気が付いたのか、
義母はオロオロ・キョロキョロと、
どうにかして追及から逃れるすべを
探しているようだった。
そんな義母に、
ツバサが暗い表情で尋ねた。
ツバサ「ばあちゃん、あれって、
オレの絵の具だよね…?
どこ探しても赤だけ見つからないと
思ってたら…こんな所に……
勝手に持って来たの?
オレが困ると思わなかった?」
義母「え…そ、そんな〜…
てっきりコズエの絵の具だとばかり…
ツバサの絵の具だなんて
知らなかったのよ〜!!」
(チョイチョイチョ〜イ!
さっきコズエがやった事にしてたの、
忘れたんか〜い!!
今、自分でやったって
自白しちゃってますよ〜!!)
ツバサ「知らなかったって……
お盆に1泊で帰るか、2泊するかで
モメてた時、オレは展覧会に出す絵の
締め切りが迫ってるから、
1日帰省するだけでも精一杯だって、
聞いたはずだよ?
それに…ここに来てからも、
オレ、時間を見つけては
一生懸命絵を描いてたのに…
それも気付かなかった??」