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本編

急激な症状が出ることを、

アナフィラキシーショックという。

この状態になると、錠剤では

効かない。というか、

服用できる状態ではない。

そこで、エピペンという

注射を打つ。

万が一には必ず周囲の

大人へエピペンを渡し、

注入をお願いする。

もちろん、母は校長へ

話を通してくれていた。

使わないに越したことは

ないけれど、命の問題だ。

持っているだけでも、

安心感は段違いだった。

 

万全を確認して、いざ登校。

二日目なので、

母の付き添いはない。

代わりに転入先の小学校は、

全校児童に集団登下校が

義務付けられている。

近所に住んでいる新しい同級生の

ミナと待ち合わせて、

6人一組の班へ合流した。

 

ミナ「おはよー」

 

スカ美「あ、おはよう」

 

ミナは明るく人懐こい子で、

昨日のうちに仲良くなった。

他の女子も集まってきて、

雰囲気も良く過ごせた。

私はいい学校に来れたと

安心していた。

 

ミナ「うちのクラス、どう?」

 

スカ美「みんないい人ばっかり!

楽しくやれそう。

クズヤマ先生も優しいし、

よかったと思ってるよ」

 

ミナ「あー、クズヤマ先生ね」

 

ところが、ミナは首を傾げた。

母と似た反応だったのが

気になった。