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本編
その後、エミコと入れ替わるように
担当の医者がやって来た。
自分的には、もうすっかり回復し、
家に帰っても問題無さそうにも
思えたが、医者は、
「24時間は経過観察が必要です」
と告げた。
それから医者は、症状が出た時の
状況を、根掘り葉掘り尋ねてきた。
あのような症状が出たことは、
これまで一度も無かったし、
昨夜は、普段と違う事は時に
何もしておらず、いつも通り
残業を終えて会社から帰宅し、
風呂に入っただけだったので、
俺自身に思い当たる原因は
全く無かったが、
俺は医者の質問に対して、
出来る限り正確に、
思い出しながら答えていった。
医者は原因を探っているのか、
あれこれ質問を挟みながら
俺の話を聞いていたが、
俺が「ヨモギ風呂に入っていた」と
話した途端、医者は急に顔色を変え、
「ヨモギ…?」と呟いた。
医者「もしかしたら……
いや……う〜ん……
スカオさん、そのヨモギ風呂は、
誰が用意したものですか?香りは、
確かにヨモギの香りでしたか?」
スカオ「用意してくれたのは
妻のエミコです。香りは…
はい。確かに、ヨモギの
良い香りがしてましたよ?
血行が良くなる上に、
リラックス効果も有るとかで、
最近毎日ヨモギ風呂を
入れてくれるんです」
医者「え?毎日ですか?う〜ん……
ではその、ヨモギの状態は?
不織布のパックなどに入った、
市販のものでしたか?
それとも生のものでしたか?」
スカオ「生のものでした。
洗濯ネットに入れたものが、
浴槽に浮かんでて…」
医者「そうか、生か…そのヨモギは、
購入されたものですか?
それとも、奥様が、どこかから
採って来られたものでしょうか?」
スカオ「いや…それは
聞いてませんけど……
妻はアウトドア派では無いので、
多分…買ったものだと思いますが…
ヨモギがどうかしましたか??」