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【第12話】夫が寝言で衝撃の一言を発し、私は姿を消した…

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本編

何も知らされないまま針のむしろに

座らされる事になるアカネを、

私は少し不憫に思った。

 

重苦しい沈黙の中、お茶を淹れたり

しながら15分程待っていると、

玄関のチャイムが鳴った。

闘いのゴングのようにも聞こえる

チャイムの音を聞きながら、

私はユウスケに出迎えるよう言った。

何も知らずにやって来たアカネは、

何やら楽しそうに話しながら

弾むような笑顔で部屋に入ってきたが

私を見た瞬間、驚愕の表情を浮かべて

凍りついた。

 

アカネ「え……なんで……」

 

スカコ「どうも初めまして。

とりあえず、ここに

座ってもらえるかしら?」

 

初めて会う、可愛らしいアカネを

前にしても、私の心は自分でも

驚くほどに凪いでいた。

アカネは助けを求めるように

ユウスケを見たが、

先に自分の席に着いたユウスケは、

前を見たままアカネと

目を合わせようとせず、

アカネは戸惑いながら、

仕方なくユウスケの隣に座った。

 

(さぁ、これで役者は全員揃ったわ!

いよいよ制裁タイムの始まりね…)

 

スカコ「なぜ呼ばれたのか、

分かるわよね?」

 

アカネ「え〜っと…私は…

ユウスケさんの後輩で……」

 

スカコ「そんな茶番は

やめてちょうだい。

もう証拠は全部揃ってるの。

事実だけ確認して、

さっさと終わらせましょ」

 

私は嘘を並べ出しそうなアカネを

遮り、テーブルの上に並べられた

証拠の数々を示しながら、

そう告げた。

 

アカネは目の前の大量の証拠に初めて

気付いたようで、まん丸になった目で

それらを見回すうちに、

既に血の気の無かった顔が、

どんどん真っ青になって

いったのだった…