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【第4話】退院後の母が別人になっていた→その後知った最悪の真実に震えが止まらず…
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本編
その後、母は一向に帰って来ず、
代わりに父が毎日家に
帰って来るようになった。
父は祖父母と一緒になって、
ぎこちなく私の機嫌を取っていたが、
私は父が居てくれることよりも、
母が帰って来ないことに
気が気でなかった。
父も祖父母も、母の不在を
何ら疑問に思っていない様子で、
「お母さんは、大事な用事があって、
しばらく帰れない」
と言うばかりだった。
母のことを心配しているのは、
家族の中で、どうやら
私だけのようだった。
私は時々、
「おかあさんはいつ帰って来るの?」
「おかあさんに会いたい!」
とグズったものの、
その度に「良い子にしてないと、
お母さんは帰って来てくれないよ!」
と言われると、
必死に我慢し、父や祖父母に従った。
泣くことさえ我慢し、
不安な気持ちを抱えたまま、私は
呪縛のような言葉に操られ続けた。
5歳の頃の記憶なので、
時間の経過は定かではないが、
週末が何度も来たように思うので、
恐らく1ヶ月以上経った頃だと思う。
祖母が唐突に、私に謝ってきた。
祖母「スカミちゃん、
ごめんなさいねぇ…おばあちゃん、
嘘ついてたの。スカミちゃんの
お母さんはね、ご用があって
帰れなかったんじゃないの。
本当は、ちょっと病気に
なっちゃって、入院してるのよ」
スカミ「入院…?」
幼い私は、『病気』や『入院』に
ついて、詳しく理解出来ては
いなかったものの、
以前、親戚のおばさんが病気で
入院し、亡くなってしまったと
聞いたことがあった為、
一気に恐ろしさと不安に包まれ、
半泣きになりながら祖母に尋ねた。