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【第11話】30連勤が終わり自宅で入浴…警察「お前が不法侵入者か!」俺「え…」→実は…

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本編

洗面所からドライヤーを

持ってきて俺に手渡しながら、

 

大家さん「これで髪を乾かして

なさい。冷蔵庫が空っぽだから、

私の家から材料持って来るからね。

すぐに帰って来て、あったかい

ご飯作ってあげるから、

ちょっとだけ待っててね!」

 

そう言って出て行った大家さんは、

大きな袋を抱えて、

本当にあっと言う間に戻って来た。

手早く作ってくれた鍋を食べながら、

俺は少し泣いてしまった。

命を脅かされる恐怖…

味方が誰もおらず、話も聞いて

もらえない状況…寒さ…情けなさ…

さっきまでの絶望がよみがえり、

それとは正反対の親切と温かさに

包まれて、気が緩んでしまったのだ。

 

大家さんは気を使い、

見て見ぬ振りをしてくれていた。

めっきり寒くなった最近の天気の話

や、祖父の思い出話などをしながら、

せっせと俺のうつわに鍋を

よそっては、「もっとお食べ」と

優しく勧めてくれた。

俺は大家さんの何もかもが有り難く、

感謝せずにはいられなかった。

 

(今度こそ、本当に助かったんだ…)

 

美味しい鍋をお腹いっぱい食べて、

すっかり温まった俺は、

満腹感と安心感と疲れから、

その夜は泥のように眠ったのだった…

 

翌日から、あの出来事を

何度も思い返した。

後から冷静になって考えると、

取れたはずの対抗策が

いくつも思い浮かんだ。

 

賃貸契約書の書類と、運転免許証の

名前を見せれば、俺がこの家を

借りている事はすぐ証明出来たのだ。

もっとこうすれば良かった、

ああ言えば良かったと、

悔やまれるばかりで、

何も出来ずに震えていた自分が、

ただただ情けなかった。