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本編
おば様A「あら〜!そんなの
気にしなくていいのよ〜!
もっと早く助けてあげれば
良かったんだけど…なかなか
タイミングがね、掴めなくてね…
ごめんなさいね…」
おば様B「そうなのよね〜。最初は
何をモメてるのか分からなくてね、
そのうちにピン子さんの声が大きく
なって、だんだん状況が掴めてきて…
助けに行こうかって話してたら、
先にお兄さんがね、助けに行って…」
おば様方はコワモテさんに
ニコニコと笑いかけ、コワモテさんは
恥ずかしそうに頭を掻いていた。
スカミ「お兄さんも、
本当にありがとうございました。
お兄さんが声をかけてきて
くださらなかったら、私、
また叩かれてたかもしれません…
本当に怖かったんです…だから、
お兄さんのこと、天使みたいに
思えました!」
おば様A「天使って〜!(笑)
こんな怖い顔の天使なんて
いないわよ〜!ね〜?(笑)」
おば様Aはまたお兄さんの背中を
バシンと叩いた。コワモテさんは
顔を真っ赤にさせていた。
おば様B「あらっ!そんなこと
ないのよ!聖書によると、神様に近い
上級天使は人の形をしてないの!
車輪に目だけがいくつも
くっ付いてたりして、怖いんだから!
名前も『ヘビ』とか『燃える』とか
何だか怖い意味で…」
おば様A「えっ?そうなの…?
あら、お兄さん!ちょうど
ヘビ柄じゃないの!おまけにここには
炎も燃えてるし!やっぱり怖い
見た目の天使なのかしら〜?(笑)」
おば様Aにからかわれても、
コワモテさんは怒りもせず、
顔をますます真っ赤にさせていた。
(おば様B…博識だな…そして
おば様Aは怖いもの知らずというか…
猛獣使いというか…
コワモテさん、すっかり子分みたいに
なっちゃって…ホント、
見た目と違って良い人だな…
でもあの服のセンスはちょっと…
どうにかならないのかなとは
思うけど…)
私は思わずフフッと吹き出して
しまった。そしてコワモテさんは
おもむろに2、3歩前に出ると、
コワモテさん「えっと、みなさん。
さっきは大声で怒鳴ってしまい、
ほんとにすみませんでした!」
バスの中の全員に向かってそう言い、
深々と頭を下げた。