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本編
録音していたおかげで、今回の子供を
取り替えた話も、しっかりと証拠を
確保する事が出来た。
とは言え、精神的ダメージが
あまりにも大きくて、俺はもう、
正直くじけそうだった。
このまま警察には言わず、
何も無かった事にして、
サオリの言うようにシオンを
育てていけば良いのでは…。
そう考えてしまいそうになる自分を、
必死で押し留めた。
(子供達の事を第一に考えるんだ!
サオリのやった事は犯罪だ。
いくら愛する妻だからと言って、
隠蔽することは出来ない…)
サオリの話を聞いた後、
俺は改めてDNA鑑定を受けるよう、
サオリを説得した。
動機は不純だとしても、
サオリがシオンを愛していることは、
これまでの様子を見ても
間違いなかったので、
俺はそこを利用し、
DNA鑑定の精度や結果をあまり
理解していないサオリを誘導した。
スカオ「警察はもう動き出している
んだから、今さら協力を拒否すれば、
逆に疑われる事になる。
サオリはシオンを愛情たっぷりに
育ててきたんだから、自信を持って、
堂々とDNA鑑定を受けよう。
今度こそ親子関係が
証明されるはずだから、
何も心配する必要はないさ」
サオリ「……うん。それもそうね!
じゃ、さっさと済ませましょ!」
拍子抜けするほど簡単に、
サオリは俺に騙された。
(サオリは本当に、
何も分かってないんだな…)
あまりにも愚かなサオリが
哀れに思えた。
まんまと俺の口車に乗られて
DNA鑑定を受け、やがては
逮捕されるであろうサオリ…。
正義の為、未来の為とはいえ、
俺は罪悪感でいっぱいになった。