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本編
お母さん「そうなの?!良かった…。
スカミさん、本当に申し訳ありません
でした…。ツバサが馬鹿な事をして…
ご迷惑をおかけしてしまって…
立て替えて頂いた分は、
おいくらでしたか?スカミさんの口座
に振り込みますので、教えて下さい」
スカミ「いえ、お金は大丈夫です。
ツバサに、ちゃんと働いて
返してもらいます」
お母さん「でも…それだと
いつになるか…」
スカミ「ツバサの異変を見逃した
私の責任もあるし、良いんです。
待ちます」
お母さん「とんでもない!
スカミさんに責任なんてないですよ!
いい大人なんだから、
悪いのは全部ツバサ本人!
私が甘やかして育てたせいで…。
本当に申し訳ないです…」
お母さんは電話の向こうで
泣いているようだった。
スカミ「いえ、今思い返せば、小さな
サインはいくつも出てたんです…。
それなのに…こんなになるまで、私、
本当に全然気が付かなくて…。
一人で見知らぬ土地に引っ越して
来たツバサには、私しか頼れる人は
居ないのに…」
お母さん「そんなのスカミさんのせい
じゃないわ!引っ越すって決めたのは
ツバサなんだし。
お金の事も、ちゃんと正直に
話さなかったツバサが悪いの!
スカミさんに言えないなら、
私に言えば良かったのに、
内緒にして、問題を後回しにして、
結局どうにもならなくなって…。
あの子、昔からそういうとこあるの!
後々の事を考えてないの!」
お母さんの感情は、最初の驚き、
悲しみから、怒りに変化し始めた
ようだった。
スカミ「それであの…。
ツバサの健康状態なんですけど…」
お母さん「えぇ、えぇ、どうですか?
あれから会社には行けてるん
でしょうか…?」
スカミ「それがですね…。
2週間ほど前、LINEで病院に行った
報告をしたじゃないですか…」
お母さん「えぇ、胃が少し荒れてる
だけで、原因がよくわからなかった
って…」
スカミ「そうです。あれから、
お薬を飲んではいたんですけど、
一向に良くならなくて…。
会社も行ったり休んだり
だったんですけど、昨日、借金の整理
を終えた後、突然嘔吐し始めて…」
お母さん「えぇっ!」