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本編
モヤオ「離婚も、正直何度となく
考えました…。でも…
まだ小学生の娘が可哀想で…。
ドロミも、娘のことは
可愛がっていましたし…。
世話もきちんとしてましたので…。
でも事件の日、何も知らない私が
夜遅くに仕事から帰ると、娘が…
1人ぼっちで待っていたんです…。」
アスカ「えっ?娘さん…4年生
でしたっけ?大丈夫でしたか?」
モヤオ「えぇ…。お陰様で
大丈夫でした。お腹をすかせて、
泣いていたようですが…。
ドロミの携帯に電話をかけても、
呼び出し音ばかりで繋がらず…。
ペットの犬もいなかったので、
散歩中に事故にでもあったのかと
思って心配していたんです…。」
アスカ「あ…。そういえばドロミ
さん、『犬の散歩のついでに来た』
って言ってたような……
本当だったんですか…。」
モヤオ「はい…。犬の散歩中に
偶然お宅の息子さんを見かけて、
後をつけたらしいです…。
犬は、そこの角を曲がった
所の電柱に、リードをくくり付けて
おいたようで…。
翌日、親切な方が保護して下さって、
首輪の迷子札を見て連絡を
下さって…。散歩用の小さな
バッグも、脇に置かれていたそうで、
携帯もその中に入ってました…。」
アスカ「そんな事に
なってたなんて…。」
隣でダイスケが
大きなため息をついた。
(あの事件の裏で、小学校4年生の
娘さんも、ワンちゃんも、
大変な目にあっていたんだな…。)
モヤオ「今回ばかりは、決心が
つきました。ドロミとは別れます。
このままドロミと一緒に居たら、
娘もロクな大人に育たない。
ドロミにはきちんと反省させて、
罪を償わせます!」
ダイスケ「ん〜…。離婚なさるのは
いいんですけど、ドロミさんが
反省するかは疑問です。
逆恨みされて、こっちに迷惑が
かかるのは困りますよ。
うちも小さい息子が居ますので…。」
私もそれが心配でたまらなかった。
モヤオ「はい。その事は
私も考えました。ですので、大阪の
ドロミの両親に事情を説明して、
釈放された後は、両親の元に
引き取ってもらい、きちんと
監督してもらえるよう頼みました。
両親も、ドロミがこれ以上罪を
重ねないよう、決して目を離さない、
と言ってくれています。」