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本編
昨夜、我が家では、
「家ん中見たかっただけ!」
と言っていたドロミだったが、
警察署で行われた身体検査で、
ポケットの中から指輪とネックレス
数点が出てきて、
「拝借した」と白状したらしい…。
(えっ!?指輪とネックレス数点!?
……盗ってたの?……確かに…。
考えてみたら、ハルトが図鑑を
取りに戻ってから、
私達が帰宅するまでだと、
1時間程度はあったはずだから…。
キッチン以外も入ったんだろうな…。
最悪……。)
証拠を前に、
警察官に散々絞られた結果、
「アスカさんトコがアパートに
住んどった時、毎日毎日うるそぉて、
こっちはエライ迷惑したんや!!
それやのに…。いっこもお詫びの品、
持ってこぉへんかったんやで!!!
どない思う!?
…そやから…まぁ…ちょっと家ん中
見せてもろて、なんかえぇもん
有ったら、頂こかな〜思て…。」
と、最初から何か盗むつもりで
家に入ったことを認めたらしい…。
そうやって全てが明るみに出た後も、
「いや、そもそもやで、アスカさん
トコの息子が、大きい音なんか
たてへんかったら、私かて、
な〜んもせぇへんかったわけやんか!
せやろ?つまりやで、ぜ〜んぶ、
うるそうしたアスカさんトコが悪い!
っちゅーわけやんか!!
せやろニイちゃん。
私はむしろ被害者やねん!!」
という感じで、『自分は悪くない』
という主張を、今もなお続けている、
ということだった…。
モヤオ「本当に…。なんでドロミは!
他人様の家に勝手に入って、
盗みを働くなんて…。
あげく床下収納に隠れるなんて…。
一体どういうつもりなのか…!」
旦那さんは怒りのあまり、
声を震わせていた。
モヤオ「本当にすみません…。
ドロミには必ず罪を償わせますし、
私も出来る限りの事をさせて
頂きます。それでその…。
ご主人のいらっしゃる時に、
謝罪に伺いたいんですが…。
宜しいでしょうか…。」
私は「じゃあ、主人に確認して、
折り返しお電話します。」
と言って、一旦電話を切った。
指輪とネックレスが盗られていたと
聞いて、慌てて2階に確認しに
行くと、ドレッサーの横に飾りながら
収納していたアクセサリーの中から、
確かにいくつかが無くなっていた。
どれも雑貨店で購入したような、
安いものだった。