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本編
私はカバンから大量の証拠を出し、
義両親に見せながら説明を始めた。
テツヤが出産前後からずっと浮気を
していること、これまでテツヤが
家庭生活を一切放棄してきたこと、
テツヤから言われた暴言の数々…
録音しておいた音声データも
聞かせながら、今まで隠してきた
真実を、洗いざらい暴露した。
テツヤはずっと、義両親の前では
家庭円満のふりをしていたし、
私も我慢してそれに合わせてきた
ので、義両親にとっては、
本当に寝耳に水だったと思う。
義両親は一点一点証拠を見ながら、
最後まで黙って私の話を
聞いてくれた。
義父「まさか…テツヤが裏で
こんな卑劣なことをしていたとは…」
義母「なんてこと……」
義母は涙を流していた。
義父「妻と娘に、何年も…
こんな酷い仕打ちをしてきたなんて…
これは親である私達にも責任がある!
本当に申し訳ない!!」
義父は頭を深々と下げ、
義母も泣きながら頭を下げていた。
スカコ「お義父さん、お義母さん、
どうぞ頭を上げて下さい。
お2人のせいじゃありません。
私の方こそ、今まで黙ってて…
すみませんでした」
義父「スカコさん……どうして
相談してくれなかったんだい?
私達だって…知っていれば、
なにか出来たかもしれないのに…」
スカコ「いえ。私、テツヤの浮気を
知った時に、もう離婚しようって
決めたんです。だから両親にも、
報告はしましたけど、
相談はしませんでした。
誰に何を言われても、
たとえテツヤ本人が態度を
改めていたとしても、離婚の意思は
変わらなかったと思います」
そう…あの日、テツヤの浮気現場を
見た時に、運命が決まったのだ。
義父「じゃあ…逆に、
なぜ今まで離婚しなかったんだい?
今日まで、仮にも夫婦として
やってきたのは、
愛情があったからじゃないのかい?」
スカコ「それは…
自分勝手かもしれませんが、
準備をしていたんです」
義父「準備…??」