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【第7話】18歳で出産後、彼氏に捨てられた私→駅で出会ったコワモテの人に赤ちゃんを見せると…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 両親から、 「もう堕ろせない段階なら、 産んだ後は養子に出せ」と言われ、 カッとなった私は、 スカミ「赤ちゃんを捨てろだなんて、 酷過ぎるよ!!お父さんも お母さんも、見損なったよ!...
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【第1話】18歳で出産後、彼氏に捨てられた私→駅で出会ったコワモテの人に赤ちゃんを見せると…
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本編
(赤ちゃんのためにバイトを
増やしたって言ってたから、
疲れてるのかな…?
タクヤ君、無理してるんじゃ
ないかな…?でも、
私はこんなお腹で働けないし…
タクヤ君が少しでも快適に
過ごせるように、
せめて家事だけでも頑張ろう!)
私は自分の体がつらい中でもタクヤが
心配で、色々と気を配ったものの、
タクヤはどんどん無口になり、
笑顔も減っていった。
何か少しでも明るい話題をと、
赤ちゃんの名前を相談しても、
「スカミの好きな名前に
すればいいよ」
と言ったきり、
話題に乗ってもくれなかった。
私は仕方なく、図書館で借りてきた
『しあわせ名前事典』を見て
1人で考えた。
性別は男の子だと分かっていたので、
幸せな未来に羽ばたく子に
なれるようにと、
『ツバサ』と名付ける事にした。
タクヤは忙しいのか、家に帰って来る
時間がどんどん遅くなっていき、
たまに早く帰って来ても、
以前のように優しく
接してくれなくなった。
それでも私はタクヤを信じ、やがて
出産の日を迎えることとなった…
その日もタクヤは、大学とバイトで
家にはおらず、私は陣痛が始まる中、
準備をしておいた荷物を抱え、
自分でタクシーを呼び、
1人で病院に向かった。
タクシーの中から
[陣痛が始まったよ!
今、病院に向かってます。]
と、タクヤにメッセージを送ると、
タクヤからは、[りょ]と、
当時若い女の子が使い始めた
短い返信だけが返って来たのだった。
(え…?それだけ…??
すぐ病院に来てくれるのかな…?)
そんな期待もむなしく、
私は初めての出産を、
誰にも付き添われずに1人で終えた。
19時間もかかったと言うのに、
結局タクヤは現れず…