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【第6話】盲導犬の尻尾を踏む子供→主人が困っていると…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 俺が怯むと、また 盲導犬い●めに逆戻りした。 男の子は再び尻尾を踏んだ。 ガシガシと。 男の子「うわぁ、すごい! この犬尻尾を踏んでも動かないや、 こんなにやってるのに!」 盲導犬主...
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【第1話】盲導犬の尻尾を踏む子供→主人が困っていると…
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本編
悪ガキは大声で叫んだ。
その時、ママさんグループから
「きゃーっ」という悲鳴が上がった。
母親「待ちなさい!あんた、
うちの子をどこに連れて行くの!?
ちょっと、誘拐!?」
さっき俺と目が合った女性も叫んだ。
まぁ、見た感じは大男が
幼児を小脇に抱えて走ってるんだ、
誘拐に見えるよな、そりゃ。
母親「誰か!その男を止めてーっ!
うちの子を返してーっ」
母親は半狂乱で叫び、
追いかけていく。
もちろん俺も走っている。
シンヤが何を考えてこんな
暴挙に出たのか分からないが、
うっかり誰かに捕まったら、絶対に
話がとんでもなくややこしくなる。
何としてでもシンヤを説得しなきゃ
という思いが、俺を駆り立てた。
距離にして600メートル
くらいだろうか。
シンヤは悪ガキを横抱きのまま、
直線を駆け抜けていく。
途中で異変を知ったらしい通行人が、
シンヤを止めようとするが、
ことごとくかわされた。
ああ、この光景。
どこかで見たと思ったら。アレだ。
高校時代だ。あいつ、
ラグビー部のレギュラーだった。
放課後のグラウンドで練習する
ラグビー部を、帰宅部の俺と
マコトはよく眺めていた。
たまに他校との試合があって、
シンヤが出場するというから、
二人そろって見に行った事もある。
道理で記憶に残っているはずだ。
現在、子供を抱えて猛烈ダッシュ
しているあいつは、その当時の、
試合で活躍する姿そのものだった。