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本編

医師「残念ですが、どうか

お気にやまないで下さいね。

母体のせいではないので。

ご自分を責めたり

しないでください」

 

処置をするとき、

担当医に励まされた。

夫にも義両親にも、

丁寧に説明してもくれた。

それなのに、義父はともかく、

義母と夫は納得しなかった。

やっぱり、息子が

欲しかったのだろうか。

それとも何か、別の理由が

あるのだろうか。

夫は、子供の成長には、

まったくと言っていいほど

興味を示さなかった。父の日に

 

ドレミ「パパ、

父の日おめでとう」

 

にこにこして、幼稚園で描いた

似顔絵を差し出した時も、

白けた目をしていたっけ。

一応は受け取ったが、

じろっと一瞥して

 

クズオ「不細工に描きやがって」

 

いかにも嫌そうに

吐き捨てたのを覚えている。

そして翌朝には、

リビングのごみ箱へ、

わざと捨てられているのが

分かるように、放り込んでいた。

ドレミが起きてくる前に

気づいて、急いで拾った。

ご丁寧に、赤ペンでバツが

つけられているのを見た時には

 

スカ子(なんて大人げない!)

 

怒りで体が震えた。それと

同時に、ここまで娘を嫌う

夫の気持ちが、どうしても

理解できなかった。