前回の内容はこちら▼
1話から読みたい方はこちら▼
本編
ナカオ店長「申し訳ございません!!
どうやらこちらの手違いのようで…」
スカミ「手違い…ですか……」
ナカオ店長「本当に
申し訳ございません!!ほらタヌマ!
お前もちゃんと謝れ!!」
ナカオ店長は何度も頭を下げて
謝りながら、横で突っ立ったままの
タヌマを叱咤した。
肩を小突かれたタヌマは、
さっき私を怒鳴りつけた勢いは
どこへやら、消え入りそうな
声で謝罪した。
タヌマ「どうもすみません…」
タヌマはすっかり萎縮していたが、
私の気持ちはまだまだ
収まらなかった。
(いくら忙しいピークタイムだから
って、こっちは客だよ?あんな
邪険に扱われるいわれは無いよ!)
だが、私はあえて軽く微笑みながら、
怒りを抑えた低い声で答えた。
スカミ「いえ、いいんですよ。
お忙しかったんですよね〜?
私はただ、早く日替わりランチが
食べたいだけです。
すぐ持って来て頂けますよね?」
ナカオ店長「しょ、少々
お待ち下さいませ!!」
そう言うと、ナカオ店長は慌てて
厨房の方へ去って行った。
背中を丸めてナカオ店長を
追いかけるタヌマの後ろ姿に、
私は嫌味ったらしく言ってやった。
スカミ「もう2時間以上
待ってますけどねぇ!!」
タヌマはビクッとなり、
ますます小さくなって去って行った…
(タヌマ!!お前は後で
コッテリ絞られろ!!
そして私の言葉に耳を貸さず、邪険な
態度を取った事を後悔しろ!!)
私は心の中でタヌマに悪態を
つきながら、ようやくありつける
であろう日替わりランチに
心を躍らせた。
(これでやっと…!やっと
日替わりランチが食べられる…!!
エッビフライ♪エッビフライ♪
エッビフライ♪)
ところが……5分も経たないうちに
戻って来たナカオ店長の口から出た
言葉は、信じられないものだった…
ナカオ店長「申〜し訳
ございません……本日分の
日替わりランチの材料が……
その…切れてしまいまして……」