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【第3話】長男の結婚式当日「高齢出産のBBAは出席するな!」私「本当にいいのね?」→長男夫婦は自業自得の結末に…
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本編
近況を話し始めそうとした私を遮り、
ハヤトは言った。
ハヤト「金くれよ!!」
私は一瞬ワケが分からず、
ポカンとしてしまった。
アスカ「お金って……もしかして、
何か困るような事があったの?
会社で何かあった?
今も働いてるのよね?」
ハヤト「もう!!そうやっていちいち
聞かれんのがウザイんだよ!!
ちゃんと働いてるに
決まってるだろ!!」
アスカ「だったらどうして…
急にお金だなんて……」
ハヤト「別に…ただ、彼女に
プレゼントでも買ってやりたいと
思ってさ。10万でいいから!」
アスカ「10万!?そんなこと
言われても…手持ちも無いし…」
ハヤト「たまに帰って来た息子に、
小遣いくらいくれたっていいだろ?!
母さんさぁ〜、元気そうだし、
ヒマなんだったらまた働けば〜?」
アスカ「小遣いって…ハヤトは
もう立派な社会人じゃないの……」
ハヤト「好きで社会人になったんじゃ
ねぇよ!!母さんのせいだろ?!
もっと早くに俺を産んでたら、俺が
成人するまで父さんも生きてたし、
大学に進学する金だって、
充分有ったはずなのに!!」
アスカ「そんな…母さんは何年も
不妊治療を続けて、
やっとあなたを授かったのよ?
何度も話したでしょ!産みたくても、
なかなか授からない人もいるの!」
ハヤトは小学生の頃から、高齢で
出産した私に文句ばかり言ってくる。
「友達に恥ずかしい」とか、
「婆さんだと思われる」とか言って、
学校行事も来るなと
言われていたのだ。