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本編
どこまでもトンチンカンで
独善的な元嫁に、困り顔で
俺に助けを求めるＡ子。
元嫁「ほらね！！何も言い返せない！
潔く負けを認めて、
今すぐ婚約を解消しなさい！！！」
俺「お前、何か勘違いしてる
みたいだけど…」
元嫁「勘違いしてるのはあなた
でしょー！いい加減目を覚まして！
あなたに相応しいのは私！！！
でしょ？！？」
俺「いや、俺は２年前に
お前と離婚した時に、
スッキリ目が覚めたんだよ！！！
それにお前、さっきＡ子に
不釣り合いだとか言ってたけど、
Ａ子も社長令嬢なんだぞ！？
親同士が勧めてくれたお見合いで、
両家から祝福されているんだ！！」
元嫁「う…嘘でしょ！？
何で…令嬢が秘書なんて……」
俺「彼女はとても堅実な性格で、
子会社の平社員からスタートした
俺と、同じ考え方の持ち主なんだ。
つまり彼女も、いくらでも使える
親のコネで楽な道を選ばずに、
自力でこの会社に入社して
働いていたんだよ。
素直で、努力家で、勉強熱心で、
俺がここに来る前から会社の
戦力として貢献してくれてた。
自分の実力で立派にキャリアを
積み上げていたんだ。それを、
俺と結婚結婚することになって、
投げ出すことになってしまった。
家の方針でいずれ家庭に
入らなきゃいけないことを
快く了承してくれたんだ。
そればかりか、婚約する時に
『夫になる人の仕事を把握して、
公私共に支えケアするのが妻の役目』
そう言って、今は俺の専属秘書に
までなってくれているんだ。本当に、
彼女には感謝しかないよ…」
俺はＡ子の隣に立ち、恥ずかしそうに
俯く彼女の肩を抱いた。
元嫁「そ…そんな……。じゃあ、
私は！？私はどうすればいいの？！？
セレブになって、あの人達に
釣り合うようにならなきゃ……」
俺「そんなの知らないよ…。
俺が君を捨てたんじゃなく、
君が、俺を捨てたんだから」
俯いてワナワナ震える元嫁に、
Ａ子が歩み寄り…
