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本編

ヤヨイ「スカオさんへ。

疲れました。あなたとはもう、

やっていけません。

価値観が違っています。

我慢は限界を迎えました、

さようなら」

 

リビングのテーブルに

置かれていた書き置きを手に、

俺は血の気が引く思いを

味わっていた。

 

スカオ「な、なんだこれは⁉︎

え?何?どういう事だ⁉︎

ヤヨイ、何でこんな急に」

 

焦りすぎて、思わず

口走ってしまった。

そうだと気づいたのは、

今年7歳の子供たちが、不安そうに

俺を見上げていたからだ。

 

小学校1年生、男女の双子で、

俺も妻のヤヨイも溺愛している。

リョウとエナは、

小さな手を繋ぎ合い、

肩を寄せ合って震えている。

 

リョウ「お父さん?

お母さん、いないんだ。

どうしたのかな」

 

エナ「昨日ね、学校から

帰ってきた時にはいたの。

でも、夜になったら

お家を出ていっちゃったの」

 

スカオ「そうだったのか、

怖かったな。ごめんな、

お父さんの帰りが遅くて」

 

ぷるぷるしながらも、

双子の妹を気遣うように

繋いだ手をなでながら、

リョウは俺を見ている。

エナも兄と父親である俺を

交互に見やり、涙をこぼす。