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【ブログ限定】ウエディングドレスにワインをかけるDQN妹「これで着れないねw」私「え?式は◯◯だけど」→結果…【前編】

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【ブログ限定】ウエディングドレスにワインをかけるDQN妹「これで着れないねw」私「え?式は◯◯だけど」→結果…【中編】
前編はこちら▼ 後編はこちら▼ 本編 感情的にこじれてしまって、 本人でもコントロールできない レベルなら、諦めるしかない。 祖父母からその話を聞いて以来、 私は家族から距離を取った。 妹のレミにいたっては、 母の影響...

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【ブログ限定】ウエディングドレスにワインをかけるDQN妹「これで着れないねw」私「え?式は◯◯だけど」→結果…【後編】
前編はこちら▼ 中編はこちら▼ 本編 お互いにぽかんとしていた時だった。 突然、レミの背後から ミサオ「おい!」 女性の声とはいえ、 かなり勇ましい口調の、 妹を呼ぶ声が通話に割り込んできた。 スマホごと、レミ...

本編

スカミ「わあああああ!」

 

ベッドから飛び起きた私は、

自分が上げた悲鳴に驚いていた。

寝汗とも冷や汗ともつかない汗で、

全身が濡れているのにも気づく。

ああ、またあの夢だ。

 

セイジ「スカミ!?

どうした!?」

 

隣で寝ていた婚約者のセイジも、

私に驚かされたらしい。

同じく飛び起きて、じっと私を見ている。

言葉にするのも嫌だった。

呼吸が荒い中、弱々しく

首を左右に振って見せる。

 

セイジは何かに気づいたような顔をした。

私を抱き寄せ、頭を撫でながら

 

セイジ「夢か?

大丈夫だ、それはただの夢だよ。

もう終わったんだ」

 

宥めるような優しい声をかけてくれた。

そう。

分かっている。

私は今まで眠っていて、

知らないうちに夢を見ていた。

というよりも、思い出すたびに

悲しくなる、子供の頃の経験だ。

両親と妹、私以外の三人から嫌われ、

こっぴどい目に遭わされてきた、

情けない昔の話。

 

私はスカミ。

26歳で、どこにでもいる

普通の会社員だ。

まもなく入籍する婚約者の

セイジと二人暮らしで、

かつての家族とは

ほとんど連絡を取っていない。

今は幸せ。

セイジは優しくて、私の子供時代に

ついても理解を示してくれている。

時々、当時の嫌な記憶を

夢の形で思い出し、

大声をあげて飛び起きても、

決して私を乱雑に扱ったりはしない。

いつも気遣ってくれて、

落ち着きを失った私を

なだめてくれるのだ。

 

こんなに私を想ってくれる人と出会えて、

一年間も穏やかに暮らしているというのに。

それでも、過去は悪夢となって、

私にまとわりついて来る。

 

スカミ「うん、もう終わった話よね。

両親にも妹にも、

ずっと会っていないんだし」

 

セイジ「そうだよ、

スカミは解放されたんだよ。

俺がついているんだ、

何も心配しなくていい」

 

スカミ「ありがとう、セイジ」

 

少し呼吸が収まって来ていた。

本当に、いつまでこの夢を

見続ける事になるのだろう。

物心ついた時から、父には無視され、

母と妹には人間扱いされない、

ずっとそんな日々を過ごしていた。

ついさっきまで見ていた夢も、

特につらい思い出になっている、

家族旅行に置き去りにされた時の事だった。

 

母「明日から一週間、みんな居ないから」

 

あの日、母はごく当然

という顔で私に告げた。

当時、小学校6年生だった。

すぐには意味が理解できなくて、

ぽかんとしていたら、

5歳年下の妹レミが、

これ見よがしにパスポートを見せつけて来た。

 

レミ(7歳)「いいでしょー?

ハワイ行くんだよー」

 

スカミ(12歳)「ハワイ!?

お母さん、どう言う事?」

 

母「年末年始を、ハワイで過ごすのよ」

 

スカミ「そうじゃなくて!私は?」

 

母「何で、あんたを

連れて行かなきゃいけないのよ」

 

そう言い放った母は、

とても冷たい表情をしていた。

まるで、全く血のつながりが無い他人が、

家族旅行について来たがっているのを、

心の底から迷惑がっているかのようだった。

 

母「図々しいわね」

 

レミ「お姉ちゃん、ばかみたーい」

 

レミはその時、小学校一年生だった。

無邪気にというか、何というか。

けらけらと笑っていたのを、

よく覚えている。

 

レミ「お姉ちゃんは

お留守番なの、分かった?」

 

スカミ「どうして」

 

レミ「そんなの、レミ知らないよー。

でもお留守番なの。決まってるの」

 

レミは、明らかに私を見下していた。

姉を姉とも思っていない、

ごく普通に、自分がばかにしていい

相手と思っている。そんな態度だった。

母の方は、レミのような露骨な

見下し感ではなく、

もっと根深い恨みのような

感情を抱いているように、私には思えた。

 

母「聞いてどうするのよ?

あんた、わざわざ傷つきたいの?

変わった子だねえ」

 

スカミ「どうして、私はいつも、

家族の中に入れてもらえないの?

みんなでご飯を食べに行ったり、

遊びに行ったり、いろいろしてるよね。

でも、私はいつも留守番。どうして!?」

 

母「知りたいの?聞きたいなら、

教えてあげてもいいけど、

自分の首を絞めるようなものよ?

世の中には、知らない方が

いい事もあるんだけど」

 

スカミ「悪いところがあるなら言ってよ!

治すから、頑張るから!」

 

このあたりで、

私は泣き出していたと思う。

母は、少しも気持ちを

動かした様子ではなかった。

いやそうじゃない。

気持ちは動いていただろう。

悪い方向に。

 

母「レミの方が可愛いのよ」

 

スカミ「……え?」

 

母「だから、レミの方が可愛いの。

あんたなんか、私の娘だと思えない。

思いたくもない」

 

母はそう吐き捨てて、

私をこれでもかとばかりに睨みつけた。

結局、私は置いて行かれた。

両親と妹が海外での年越しを

楽しみに出かける姿を、

玄関で見送る羽目になったのだ。

 

当時は、何が何だか分からなかった。

大学に進学してからだ。

父方の祖父母が、あまりにも

家族からないがしろにされる私を

憐れんで、学費を用意してくれた時

 

父方祖母「スカミちゃん、ごめんね。

おばあちゃんが悪かったんだよ」

 

祖母が涙ながらに、私が

母から嫌われた理由を語ってくれた。

私が産まれた時、いわゆる

初孫フィーバーで、

すっかり舞い上がった祖母は、

母より先に私を抱き上げたのだという。

 

祖母「スカミちゃんは、

帝王切開で生まれたのよ。

母親でさえ、まだあなたに

触れなかったのに、

私が出しゃばってしまったから」

 

スカミ「そんな理由!?」

 

子供か!

祖母から聞いたいきさつの

感想は、この一言に尽きた。

祖父からは

 

祖父「おまえの母親と婆さんは、

最初からウマが合わなかったんだ。

だが婆さんは、

嫁いびりをする性格じゃない。

むしろ、気を遣い過ぎるくらいに、

気を遣っていた。母親本人が、

それを認めているくらいだからな。

気を遣われ過ぎるのが嫌だった、

とも言ってたが」

 

そんな打ち明け話も聞いた。

つまり、私は母と父方祖母の

確執に巻き込まれた、

あるいはとんだとばっちりを受けたと。

こういうわけだったのだ。

 

私が産まれてから5年。

レミが誕生した。

祖母は私の時の反省から、

全くと言っていいほど手も口も出さず、

母は自分の思い通りに育児をしたらしい。

名づけからして、妹は、

母の趣味が思い切り反映されている。

祖父に言わせれば

 

祖父「もう手が付けられなくてなぁ。

勝手に触られて汚された、

自分の子供だとは思えない、

責任を取ってそっちで育てろと。

財産があるんだから、

一人くらい余裕だろうともな。

泣いて喚いて、名づけも嫌だと、

半狂乱だったよ。そのうち、

スカミになったと聞いたんだ。」

 

とことん、私を拒否したらしい。

野生動物が、人間に触られた

自分の子を我が子と認識できなくなって、

育児放棄するケースがあると、

聞いた気がする。

それみたいだと思った。