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本編

ごてごての、いかにも

成金趣味な広いリビングには、

彼女と仲良くしている

高層階マダムたちが5人いた。

みな、私をみて、

くすくすひそひそ。

ちらっと眼で人数を確認すると、

マダムはワルミを入れれば6人。

子供は4人いた。

つまり、ぴったり10人だ。

まあ、頼むときに

察しはついていたけれど。

私と娘は、どうやら

人数に入っていないらしい。

 

ワルミ「スカ寿しの到着ぅ」

 

ワルミが言うと、拍手が上がり、

子供たちがはしゃぎ始めた。

スカ寿しは少し離れた

駅前にある、この辺では

老舗で通る有名店だ。

 

ワルミ「さぁ、ママ友みんなで

いただきましょうね」

 

どう計算しても、この部屋にいる

人数分しか、お寿司は無い。

私と娘は、寿司の手配と

支払いだけをやらされた

という話なのだろう。

 

ワルミ「アスカさん、ご苦労様。

合格よ。次回から呼んであげる」

 

アスカ「いえ、二度と

呼ばなくてけっこうです。

今日は、主人が自宅に

スカ寿しの職人さんを

呼んでいるので、帰りますね」

 

私はきっぱり言ってやった。

はぁ!?という顔が

ずらりと視界に並んだ。