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本編
5分ほど待っていると、ミワ先輩から
電話がかかってきました。
ミワ先輩の話によると…
モモコに
「スカミの後をつけたの?」と聞くと
「はい。ついて来ましたけど?」
と答えたそうです。
「そんなことは止めて、
自分の家に帰りなさい!」
とはっきり言い、怒りもしたが、
全く理解していないようで、
相変わらず変な言い訳ばかりで
『帰る』という言葉は最後まで
出てこなかった、ということでした。
ミワ先輩「住人と一緒に
オートロックを抜けて入ってくる
可能性もあるから、気をつけてね!」
スカミ「もうすぐ友達も
来てくれるから、大丈夫です」
ミワ先輩「そっか…それなら
良かった…少しは安心だね…
正直、モモコは何をしでかすか、
わからないから…課長にも報告して、
今度こそ、何か具体的な
対応をしてもらおう!」
スカミ「ありがとうございます…
宜しくお願いします…」
電話の向こうから、ミワ先輩が
本気で私を心配してくれているのが
伝わってきました。
こんな先輩が居てくれて、
本当に良かった…。と、私は少し
緊張が緩んで泣きそうになりました。
「危険かも知れないから、
部屋から出ないでね!」
「友達が来た時も、ドアを
開ける前に、充分確認してね!」
「何があるかわからないから、
とにかく注意して!!
いざとなったら警察呼んで!」
ドラマの中の心配性の田舎のお母さん
みたいに、何度も何度も念を押して、
ミワ先輩は電話を切りました。
私は「よしっ!」と、気合いを入れ
直し、念のため、窓の鍵を確認して、
カーテンを閉めました。
そして、喉がカラカラなことに
気付き、グラスに注いだ水を
一気に飲み干しました。
「もうすぐ着く」
「今マンション前
怪しい人は特にいない」
「今からインターホン押すね」
の予告ラインの後、
アヤが来てくれました。
アヤの顔を見た途端、心細さは消え、
安心した私は声を上げて
泣き出してしまいました。