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本編
スカミ「お母さんだって、さっき、
『スカミさんに言えないなら、
私に言えば良かったのに』って
おっしゃってましたよね?
お母さんは、今回の借金の事だけ
知らないふりをすればいいと思って
らっしゃるのかもしれませんけど、
ツバサからしたら、それを秘密にして
いると、それにまつわる全ての事、
体調を崩した事も、心療内科
で自律神経失調症と診断された事も、
それで会社を休職する事も、
全部秘密にしなきゃならなくなる。
もし秘密を隠したまま話そうと
すると、嘘をつかなきゃならなく
なるんです。それって、またツバサに
新しいストレスを与える事に
なりませんか?
やっと私に対する隠し事や
嘘が全部バレて心が軽くなったのに…
ずっと悩まされてた体調不良の原因
が、隠し事や嘘からくるストレス
だって分かって、ようやく治療が
始まったのに…。
今度はまた新しく、親に隠し事や
嘘が出来るんじゃ、治る病気も
治らなくなってしまいますよ…」
お母さん「………………」
スカミ「タイミングは大事ですけど、
お母さんも全部知ってる、
もう誰にも隠し事は無い、
嘘もつかなくていいんだって、
そう思える方が、ツバサにとって
良い事だと思います」
お母さん「……そうね……。
スカミの言う通りだわ…。
私はなんて馬鹿なのかしら…。
さっきツバサのこと馬鹿だって
言ったけど、私が馬鹿だから、
同じように育てちゃったのよね…。
ツバサに全部話してちょうだい。
タイミングはスカミさんに
お任せするわ。」
スカミ「分かって下さって
ありがとうございます。
そうさせてもらいますね」
(言い合いになっちゃうかもって、
ちょっと躊躇したけど、
言って良かった!お母さんが、
柔軟で素直な人で良かった!
お母さんのこういうとこ、
ツバサも受け継いでる気がするな…)
お母さんは一段落したかのように
ため息をついてから、最後に、
私に妙な質問をしてきた。
お母さん「それとあの…。ちょっと…
確認したい事があるんだけど…」
スカミ「はい、何でしょうか?」
お母さん「ツバサは、
就職する前のアルバイト…
いつまで行ってたのかしら…?」
スカミ「あぁ。パチンコ屋さん
ですか?就職が決まったのが10月で、
それまでずっと行ってましたけど?」
お母さん「えっ…??
そんなはずは…」