※このページでは広告主の依頼によりアフィリエイト広告を掲載しています。

【スカッとする話】嫁だけとにかく目の敵にする嫁いびり大好き姑【後編】

前編はこちら▼

【スカッとする話】嫁だけとにかく目の敵にする嫁いびり大好き姑【前編】
こちらもおすすめ▼ 本編 私はスカ子。 30歳で既婚の銀行員だ。 夫のエネオとは金融にまつわる 社会人講座で知り合った。 悪い人じゃないんだけど、 彼との結婚生活については、 今ちょっと考え中。 明らかに悪い人、 と断言できる義母が原因だ。...

本編

あまりにもびっくりして、
口も聞けなくなった私に、
ナオヤはにやにやして

 

ナオヤ「お義姉さんの銀行も、
もちろん取引相手
として検討したよ?
だけど、融資額がね」

 

希望額を引き出せなかったという。
それはそうだろう。
銀行は信用取引、
まだ何の信用も無い20代前半の
若い男性に、ほいほいと
大金を貸すわけがない。
そんなの、銀行に勤めてなくても
分かりそうな常識だ。

 

なのに、どこから借りるつもりか
知らないけど、貸してくれる相手が
いるなんて、有り得ない。
あるとしたら、ろくでもない
高利貸しくらいだろう。

 

危険だから、止めた方がいい。
私の精一杯の親切心で、
安全なところから、
身の丈に合った融資を
受けるべきだと意見したが、
ナオヤを不機嫌にさせ、
義母に怒鳴られる結果に
なっただけだった。

 

義母「せっかくナオヤが
頑張ろうとしているのに、
何なのその言いぐさは。
専門家ぶってるんじゃないよ!」

 

いや、専門家なんですけど。
頭が痛くなって、ちらりと夫を見た。
エネオは、独立の誘いに
心を奪われたようだった。

 

エネオ「いいなあ、独立か。
俺も弟に負けていられないな」

 

やっぱり、だめだこりゃ。
もうすっかり舞い上がっている。
取締役だ、実業家だ、とでも
夢を見てしまったのだろうか。

 

こんな危険な話に、
あっさり飛びつく夫と
義実家に、私は心底呆れた。
同時に、巻き込まれるのは
御免だという気分も沸いてきた。

 

どうしたらいいだろう。
考え込んでいるうちに、
義母は前祝だと称して、
お寿司の出前を取ると張り切り始めた。

 

いざ、寿司桶が用意されたら、
一人分足りない。私の分が無い。

 

義母「生意気な事を言って、
ナオヤのやる気に水を差した女に
食べさせるものはないわよ。
どうせ、エネオを呼んでも、
私も一緒に行きますなんて
可愛げのある事なんて、
一度も言った事が無いんでしょ。
どうしてもお腹が空いてるんだったら、
冷蔵庫に昨日の残り物くらいあるわ」

 

義母に言われた。
ナオヤは笑っている。
義父は気まずそうにしているが、
そ知らぬふり。

一番味方になってくれるはずの
エネオも、寿司桶を嬉しそうに
眺めている。

 

エネオ「そうだなあ。おまえ、
いつも俺が実家に行くの、
嫌そうな顔で見送ってばかりだったよな」

 

スカ子「……そうですか」

 

このまま付き合い続けて
いいのだろうか。
エネオと夫婦生活を
続ける意味はあるのだろうか。
私はこの日以来ずっと考えている。

 

あの日から半年ほど経った。
結局、エネオは会社を辞めて、
ナオヤの独立話に乗った。

 

息子二人が事業家へ、
華麗なる転身!
浮かれた義母は、
親戚や関係者を呼んで、
お披露目会を開催する計画をぶちあげた。

 

ホテルで宴会だという。
どこにそんなお金が、と思ったら、
事業資金から出すらしい。

私はまだ、エネオと夫婦だ。
副社長の肩書を用意された
夫の横に、妻がいないのは
世間体が悪い。
それだけの理由で、茶番に駆り出された。

 

日曜の昼から催された
盛大なパーティーには、
私は少しも興味が無かった。
どちらかといえば、
これから泥船になるだろう
義実家と、上手に手を切る。
ついでに、エネオとも縁切り。
そこに考えが集中していた。
前日に、ある計画が
私の頭をよぎった。
あの義母なら、きっと
やらかすだろう事を
想定して、手を打った。

 

いちかばちかの賭けだったが、
私も仕事をだしにされて
こき使われて、黙って
引き下がる気にはなれない。

相応の仕返しは覚悟しなさい!

そんな気持ちで、私以外が
盛り上がっている事業開始記念の
パーティーが終わるのを待った。

 

弟や母親につられて、
すっかり気が大きくなっている
エネオに、私は宴会の終わり際に
ちょっとした提案をしておいた。

 

その気になったエネオが義母に伝え、
思惑通り、二次会と称した
お茶会が急きょ行われる事になった。

 

時刻は14時過ぎ、
そのホテルは喫茶ラウンジが
一旦営業を終了する。
義母を先頭に、二次会に参加を
希望した関係者、おもに義母の
友人らを引きつれて、ホテル近くの
小さい喫茶店へ移動。

 

嫌な顔をされたが、
気にせずみんなについていった。

 

義実家を含めて総勢8人。
こんな大人数がいきなり
押しかけても、急に席は作れない。
店員が困惑顔で
「何名様でしょうか」と聞いてきた。

 

義母「7名です」

 

そう答えつつ、私の脇腹を
肘でぐいぐい押してくる。

 

痛い!
義母は、私をいない者として
扱いたいのだろうが、
言葉で言えないからか、
無理やり横へ押しのけようとしてくる。

 

ぐりぐりと肘が、
脇腹にめり込んで痛い。
ある程度は計算していたが、
肘で思い切り突かれるとは
思わなかった。
肋骨に響く痛みで、
私も怒りが倍増した。
それでも、私は我慢して、
義母の横に立った。

 

動かない私に焦ったらしい義母は、
信じられない勢いで肘攻撃してくる。
あざが出来そう。
私はカウンターを見て、
先客がこちらを
振り向いた瞬間を見定めると

 

スカ子「痛い!お義母さん、やめて!
さっきから肘で押すの
やめてくださいっ!」

 

と叫んだ。
義母がぎょっとした顔になった。
今までうるさかった一行が、
ぴたっと静まる。

 

スカ子「あんまりです!
何なんですか!!」

 

大声を張り上げながら、
私は義母の手首をつかんで持ち上げた。

 

義母「ちょ、ちょっと!
何するの、スカ子さん」

 

スカ子「何するのと言いたいのは、
私の方です。 どうして、
肘でぐいぐい押すんですか!?
そもそも、何で私をのけ者に
するんですか!?
人数に入れないなんて!
いつもの嫁いびりですか!?
それは家でやってください、
こんなところで、恥ずかしい!」

 

これでもかとばかりに、
私は義母を怒鳴りつけた。
8名いるところを、私だけ
あからさまに省いた。
現場は周囲の全員が見ている。
十分、説得力はあるだろう。

 

この状況で、しかし義母は
私の手を振り払おうと暴れて、
抵抗した。

 

義母「そ、そんなことしてないわよ!
言いがかりよ! スカ子さん、
あなた何を勘違いして…」

 

講師「いいえ。勘違いではありません。
私も見ていました」

 

カウンターにいた先客が、
全員にはっきり聞こえるくらいの
声で言った。 そして、私を
心配そうに見ながら近づいてきた。

 

講師「スカ子さん。大丈夫?」

 

エネオ「あっ……先生」

 

エネオは真っ青になった。
私は、金融講座の講師を
予め呼んでおいたのだ。
義母は私を必ずのけ者にする、
もししなくてもそのように持っていく。
金融関係に顔が広い講師を呼び、
義実家の嫁に対する態度の悪さを
「お披露目」してやる。

私は決心していたのだ。

 

講師「エネオさん。こちらが、
あなたのご家庭ですか?」

 

講師は、受講生だった
エネオを覚えていたようで、
露骨に顔をしかめた。
金融とは信用だ。
少しでも普通と違う部分が
明るみに出れば、融資相手から
警戒される。

 

仕事上の経験からも、
講座に通って勉強した
内容からいっても、
事業に乗り出そうという人物は、
プライベートであっても
厳しい目で見られる。
私は理解していた。

 

エネオはもちろん、資金集めに
奔走していたナオヤも、
有名人である講師を
知っていたのだろう。

義母の醜態を見られてしまい、
急に我に返ったようだった。

 

ナオヤ「あの、お義姉さん……」

 

エネオ「ごめん、スカ子」

 

スカ子「ナオヤさんは
どうでもいいわ。エネオ、
あなたはごめんしか
言わないのね。
他に言う事はないの?」

 

エネオ「ごめん」

 

スカ子「あのねぇ。もういいわ、
あなたに期待した私が
ばかだったみたい。
離婚するし、慰謝料も貰うわよ。
お義母さんもね」

 

私は、御足労を頂いた
講師に頭を下げた。
そして、どんどんと力を
失くしていく夫とその弟、
ぼう然となった義母、
最後まで何もできなかった
義父を睨みつけて、彼らから離れた。

 

後日、私とエネオは
離婚という事になった。
慰謝料も、彼と元がついた義母から
相応額を貰い、無事に他人へ。
投資の元手が増えて、私としては
満足がいく結果になった。

 

義実家のその後?
そりゃ、素人が思い付きで
事業を立ち上げたところで、
上手くいくはずもない。
あんな醜態を見せつけたおかげで、
義母は友人から総スカンだという。
切羽詰まって私に泣きついてきたが

 

スカ子「当行は、行員を雑に扱うのを
当たり前と考える非常識なご家庭を、
信用ある人々とは見なしませんので」

 

きっぱり突き放して、
全ての融資を断った。
ご協力いただいた講師も同じだ。

 

講師「あれでは信用できない。
常識が無さすぎる。
とても、どこにも紹介できないし、
助けるなんてとんでもない」

 

最低評価を下してくれた。
元々危ないところに手を出して、
事業資金をかき集めていた彼らは、
まっとうな機関から融資を
受けられるあてもなく、
破産秒読み状態だという。

 

不良債権は早めに処理するのが
金融業界の鉄則。

あー、すっきりした!  終