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【第14話】18歳で出産後、彼氏に捨てられた私→駅で出会ったコワモテの人に赤ちゃんを見せると…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 コワモテの親分さんはツバサを抱いた まま、無言で奥の和室まで行くと、 ようやく私の方を振り返った。 コワモテ「今日は遅いから、 もう休め。おかしなこと 考るんじゃねぇぞ!」 そう言っ...
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本編
慌てて部屋から飛び出すと、
廊下の先からコワモテの親分さんが
こちらにやって来るのが見えた。
私は怖さも忘れて詰め寄った。
スカミ「ツバサは??
ツバサをどこにやったんですか!?」
コワモテ「やっと起きたか。赤ん坊は
無事に預かってるから安心しろ。
爆睡してるお嬢ちゃんの
横で夜中にぐずり出したから、
ミルクをやったり
オムツを変えたりしただけだ」
スカミ「今すぐツバサに
合わせて下さい!!」
コワモテ「大丈夫だって
言ってんだろ?!
いいからお嬢ちゃんは飯を食え!
話はそれからだ!」
ドスの効いた声で一喝され、
私は小さく飛び上がってしまった。
自分がどう言う状況に
置かれているのか分からず、
またしてもツバサを
奪われてしまった不安もあって、
私はとりあえず、
コワモテの親分さんに従う事にした。
別の和室まで付いて行くと、
そこには大きな机の上に、
和洋取り揃えた豪華な
朝食が用意されていた。
お味噌汁のいい匂いを嗅いだ途端、
昨日の昼から何も
食べていなかった事を思い出し、
お腹が「グゥ〜!」と音を立てた。
慌ててお腹を押さえたものの、
どうやらコワモテの親分さんにも
聞こえてしまったようで、
鼻で笑われた。
コワモテ「ゆっくり食いな」
口の端だけ上げて笑いながら
そう言うと、コワモテの親分さんは
またどこかへ去って行った。
(毒とか、変な薬とか…
入ってないよね…??)
疑いがチラッと頭をよぎったが、
美味しそうな匂いと空腹に負け、
私は少しだけ頂くことにした。
ところが、一口食べると
美味しさで箸が止まらず、
アレもコレもと食べているうちに、
気付けばすっかり満腹になっていた。