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本編

ジン「おい、聞いてるか?」

 

 

同期入社の同僚で、

普段から冗談を言い合う

間柄のマコトが、

ぼんやりとしている。

 

 

昼の休憩時、俺はリョウと

外食に出るのだが、

今日は朝から様子が

おかしい。

 

 

 

しょんぼりしている、

と言うのがいちばん

しっくりくるだろう。

 

 

俺の妻ユウカともども

親しくしている仲だ、

どうにも気にかかる。

 

 

ジン「大丈夫か、リョウ」

マコト「え?

ああ、ええと、何だっけ」

 

 

ジン「ユウカの話だ。

全然聞いてなかったんだな。

ていうか、食べても

いないぞ?」

 

 

マコト「ああ、まぁ。

ちょっと食欲がな。

何なら唐揚げ全部

食べていい、

ジンの好物だろう」

 

 

ジン「唐揚げ定食の

唐揚げを全部?

おまえの食う物が

無くなるじゃないか」

マコト「いいんだ」

 

 

結局、マコトは味噌汁を

半分飲んだだけで、

いつもの定食屋を出た。

 

 

珍しいと言うより、

初めて見た。

 

 

俺はジン。

28歳の会社員だ。

家族は同い年の妻ユウカで、

結婚2年目のごく普通な男。

 

 

マコトとは入社早々、

とあるトラブルを

きっかけにして

仲良くなった。