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本編
サオリ「それでもダメなら、
思い切ってタツヤさんの同僚とか
上司に相談するとか…。
周りから言ってもらって、
タツヤさんを話し合いの席に
着かせるしかないんじゃない?
タツヤさんは恥をかくことに
なるけど…。そもそも無視し続ける
のがいけないんだからさ!」
まずは話し合いの席に着かせる為に、
何か取っ掛かりを見つける
ということか…。
スカコ「そうだね…。
正直、私ももう限界だし…。
何か行動を起こすしかないよね…」
サオリ「そうだよ!一人ぼっちで
家の中で悩んでても、
もうどうにもならないよ!
ダメ元で、周りも巻き込む覚悟で、
やってみるしかないよ!」
スカコ「そうだよね…」
サオリ「私がタツヤさんに話しても
良いんだけどさ…。正直私、
冷静でいられる自信ないんだよ…。
スカコは今のところ関係修復を望んで
るのに、私が出てくと、まとまる話
までブチ壊しちゃいそう…。
ブチ壊しても大丈夫な覚悟が
出来たら、いつでも言って!私が
タツヤさんを締め上げるから!(笑)」
スカコ「(笑)サオリ、ありがとう」
サオリ「私はスカコの味方だからね!
何かあったらいつでも言ってね!」
また涙ぐむ私を「大丈夫、大丈夫」と
励ましてくれるサオリ。
誰かが自分の味方でいてくれる事が、
こんなにも心強いものだという事を、
私は改めて実感した。
それからサオリは、
「赤ちゃん抱っこさせて!」と
言って、除菌スプレーを
これでもかと自分にふりかけた。
そして赤ちゃんごと私をハグした
後で、改めて赤ちゃんを受け取り、
抱っこした。
マスク越しでも愛おしそうに
笑っているのが分かって、
(他人でさえ、こんなに赤ちゃんを
可愛がってくれるのに…)
と思わずにはいられなかった。
言葉を発しないように気遣いながら
私に赤ちゃんを返すと、サオリは
意を決したようにまた話しだした。