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本編

普通の会社員である夫が

休みになる土日を使って、

常連さんをご招待し、

簡単なお茶会付きで商品を

見ていただくという趣旨だ。

当然、即売会も一緒に行う。

 

夫は、博物館の学芸員状態に

なって、商品の成り立ちや

歴史的背景を熱心に語る。

本人の趣味でもあるから、

夫は嬉々として手伝ってくれる。

むしろ、夫の方が展示会を

楽しみにしているほどだ。

私は紅茶とお菓子、

時にはサンドイッチなどの

軽食を用意して、

お客様をおもてなし。

気に入った商品があるという

方と、商談をする場合も。

うちの店にとっては、

大事なイベントだ。

 

今回は、常連さんの他に、

特に親しくしている

ママ友もご招待した。

古美術に興味があるという

人を選んでの、ごく内輪の

お茶会も兼ねた集まり。

楽しいものになる、はずだった。

 

イツコ「ちょっとぉ。

そんなイベントがあるなら、

どうしてもっと早くに

声をかけてくれないのよ」

 

いったいどこで漏れたのか。

イツコが嗅ぎ付けてしまった。

扱う商品の特性上、

お子様はご遠慮願って

いるのだけど、

しっかり暴れん坊も

連れて、突撃してきた。