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本編
スカコ「テツヤはツムギに対しても、
一切愛情を示しませんでした。
だから、何が何でも絶対に、
私が親権を取る必要があったんです。
もちろん、テツヤはそもそも
親権なんて欲しがらなかったかも
しれません。でも、私は万に一つも
危険を犯したくなかった。
私が1人でツムギを育てていけるだけ
の経済力を持つ必要があったんです」
義父「なるほど…経済力か……
つまり、スカコさんは今、その
経済力を持てたということだね…?」
スカコ「はい」
義母「でも…どうやって…?
スカコさん、働きに
出てないわよね…?ずっと家で、
ツムギのお世話をしていたのに…」
義母は涙をぬぐいながら、
不思議そうに尋ねてきた。
スカコ「在宅で仕事をしてるんです。
テツヤは家事も育児も
全くやってくれなかったから、
最初は大変でしたけど…今は
どうにか稼げるようになりました」
義母「在宅で?赤ん坊を
育てながら…??家事も全部
1人でやりながらだなんて…
私には想像も出来ないわ……」
義父「あぁ。並大抵の努力では
なかったはずだ…」
スカコ「テツヤを見返して
やりたい一心で、頑張りましたw」
義両親は顔を見合わせて
頷き合っていた。
義父「……よく分かった。
頼ってもらえなかったのは悲しいが、
スカコさんの決定を尊重しよう。
だが……1つだけ、願いを
聞いてもらえないだろうか…?」
スカコ「願い…って…なんですか?」
私は恐る恐る尋ねた。
義母も、義父が何を言おうと
しているのか分かっていない
様子だった。
義父「私達は、ツムギのことが
可愛くて仕方がないんだ。
生きる目標だと言ってもいいくらい…
だから、離婚後も…これまで通り、
会わせてはもらえないだろうか…」
スカコ「……そう言って頂けるのは、
本当に嬉しいです。
お2人には、これまでずっと
良くしてもらってきましたから…
でも……私はもう、テツヤさんと
完全に縁を切りたいんです。
ですから、お2人にも…
これまで通りお会いするのは、
正直、難しいと思います…」