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本編
私は血管がブチギレそうになった
ものの、ミスズと同じレベルには
絶対に落ちたくなかったので、
余裕の微笑みを浮かべたまま、
「そう？良かったらこっちも
食べて〜！」などと言い、
イヤミに気付かぬふりをして、
ひたすら堪えたのだった…
ところがショウタときたら！
この地獄の攻防戦に一切
気付いていないようで、目の前の
大好物を綺麗さっぱり平らげた後、
「はぁ〜〜！！食った食った〜〜！！
満腹だ〜〜！！！」と、
１人だけ勝手にご満悦のご様子で……
私はただただ
呆れるしかないのだった……
（ショウタ……あんたって
ヤツは……鈍感も、
ここまで来れば才能だね…！）
ショウタ「あっ！そう言えば！！
ミスズ、話題のカフェのケーキ、
買ってきてくれたんだろ？！
さすがだよなぁ〜！！
こういう気遣いが出来る所が、
ポイント高いんだよなぁ〜！！」
ミスズ「え〜っ？そんなぁ〜。
ショウタ先輩ったら、
褒め上手なんだからぁ〜！」
タカヒロ「いや…ケーキはまぁ…
買ってきただけですから！
料理上手な女性の方が、
よっぽどポイント高いですよ！！
俺、なんか感動しちゃったな〜！！
ショウタ先輩、スカミさんのこと大切
にしないと、バチが当たりますよ！」
この期に及んで空気が読めず、
私の神経を更に逆撫でするような
発言を繰り返すショウタに対し、
空気に敏感なタカヒロは、
必死で私をフォローしようと
孤軍奮闘していた…
（タカヒロ君……あんた１人に
苦労かけちまって、
何だか申し訳無いねぇ〜……
後は、みんなで仲良くケーキでも
食べて、お開きにしましょかね！）
私が紅茶を用意している間に、
ミスズがケーキの箱を開け、
皿に乗せて配り始めた。ところが……
ミスズ「はい、ショウタ先輩。
はい、タカヒロ。で、これが私の！
……あれ〜〜っ！！
１個足りなぁ〜い…！！」
