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【第2話】バスでキチママに「イヤホンの音漏れがうるさい!」と叩かれた→私「補聴器です」と見せると…
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本編
ピン子「だいたいねぇ、イヤホン
なんかされたら、席を譲ってくれって
頼みづらいじゃないのよ!
アンタ、それ分かってて、わざと
イヤホンで音楽聞いてんでしょ!
『もし頼まれても、
聞こえないふりしとけばいいわ〜!』
とか思ってんでしょ!
いるのよねぇ〜!そういうセコい女!
こっちは全部お見通しなのよ!!」
スカミ「あの〜…。これ、
イヤホンじゃないです。補聴器です」
ようやくピン子の文句が収まり、
私はやっと説明が出来たのだった。
ロングの髪を持ち上げ、
耳の裏側の本体部分を見せてから、
私は再びピン子を見上げた。
口をポカンと半開きにし、
ピン子は驚いた表情を浮かべていた。
子供の頃の事故が原因で、
両耳が難聴になってしまった私は、
補聴器無しで生活する事は難しい。
長年着けていると、イヤホンに
間違われる事も何度もあった。
耳の後ろは長い髪で隠れているし、
チラッと覗く表側の耳栓部分だけを
見ると、確かに耳掛け式の
イヤホンのように見えるので、
勘違いをするのも無理はないし、
勘違いから勝手に腹を立てることも、
まぁ理解出来る。
だが普通の人であれば、
補聴器だと分かって自分の勘違いに
気付いた途端、平謝りに
謝ってくるものだ。
ところがピン子は、
しばらく目を見て待っていても、
何も言ってこないのだ…
(いきなり頭まで叩いておいて、
『ごめんなさい』の
一言も無いなんて…)