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俺にも嫁にも似ていない息子→DNA鑑定の結果、衝撃の事実が判明し…【第10話】
前回の記事はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 担当者は無機質な口調で 早々に断言した。 (あの、ペラペラのネームバンド だよな…?そんな確実な物に 思えないんだが…) スカオ「え…。たかがネームバンド でしょ?そんなに確実なんで...
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俺にも嫁にも似ていない息子→DNA鑑定の結果、衝撃の事実が判明し…【第1話】
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本編
スカオ「……つまり、なぜシオンが
俺達の子供じゃないのか、
分からないという事ですか?」
担当者「そうです。当院では新生児の
取り違えは起こり得ないですし、
DNA鑑定の結果がなぜそうなったのか
という原因は特定できない、
という結論です」
スカオ「つまり、何もわからないまま
なのに、これ以上調査をして頂けない
という事なんですか?」
担当者「はい。そうなります。
当院としてはこれ以上調査できる事は
ございませんので」
スカオ「えっ……」
(コイツは何もかも曖昧なまま、
もうこれで幕を引こうとしている…。
こうなったら、多少失礼な事を言って
でも根拠の穴を指摘するしかない!)
スカオ「でも…。さっき師長は
『ネームバンドは1人につき1本』
とおっしゃいましたけど、
例えば通し番号が付いたりするなら、
確実に1本だと言い切れるかも
しれませんが、拝見したところ、
そうではないですよね?
だとすると、
ネームバンドが付け替えられた
可能性は有りますよね?
例えば、病院関係者の中に
故意に取り違えを起こした人が
居る可能性は?」
師長「それは考えられませんよ…。
そんな事をする理由が
ありませんし…」
担当者「そのような証拠は
有りませんでしたので、
当院では原因を特定できません」
スカオ「………………」
そこからは、俺が何を言っても、
「当院では起こり得ない」
「当院では原因を特定できない」
と返されるばかりで、
埒が明かなかった。
苛立った俺は、
いっそ暴れてやろうか?とも
思ったが、話し合いの途中で、
なぜか部屋に入ってきた警備員が
扉付近に立ち、静かに睨みを
利かせていたので思い留まった。
そうして何も解決しないまま、
話し合いは一方的に
打ち切られてしまった。