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【第9話】癌と診断され、夫に見捨てられた私…

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【第8話】癌と診断され、夫に見捨てられた私…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 玄関扉を閉めた途端、 堰を切ったように涙が溢れた。 私は嗚咽を嚙み殺しながら、 涙でぐしゃぐしゃのま まエレベーターに乗り、 逃げるようにマンションを出ると、 そのままタクシーを拾っ...

1話から読みたい方はこちら▼

【第1話】癌と診断され、夫に見捨てられた私…
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本編

担当医、麻酔科医、看護師達と、

入れ替わり立ち替わり人が

やって来た後、

心配して様子を見に来てくれた母が

帰って行くと、急にポッカリと

時間が空いてしまった。

私は1人病室で、またボンヤリと

●ぬ事を考え始めた…

 

するとそこに、幼稚園児くらいの

見知らぬ女の子が、

いきなり現れたのだ……

 

女の子は慣れた様子で個室の

引き戸を開けて入ってきたものの、

私の顔を見ると、驚いた表情で

その場に固まってしまった。

 

スカコ「……どうしたの?

誰か探してるの?」

 

私は出来るだけ優しく声をかけた後、

そのまま少し黙って様子を

伺っていると、やがて女の子は

震える声を絞り出して言った。

 

女の子「ママはどこ…?

ママにあいたい…」

 

スカコ「そっか〜…

ママと一緒に病院に来たの?

はぐれちゃったのかな?」

 

私が尋ねると、女の子は

悲しそうに首を横に振った。

 

女の子「ママ…いつも

このおへやにいたの…」

 

今にも泣き出しそうな女の子の

言葉に、私の胸に嫌な予感が

広がっていった…

 

(私が入院する前、

この部屋には女の子のママが

入院してたってこと…??

じ…じゃあ…ママは今、

どこにいるの…?もしかして……)

 

私が不安な表情を浮かべてしまった

せいか、女の子の目から、

大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。

 

女の子「ママぁ〜…

ママにあいたいよぉ〜…」