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本編

週末になった。

相変わらずの多忙で、

金曜日といっても休日前独特の

華やいだ雰囲気とは無縁だ。

必死に働いて、午後11時。

ようやく帰宅できた。

しかし、家の中はがらんとしている。

 

スカオ「やっぱりか」

 

分かっていた。

妻と娘が旅行に行く話を

立ち聞きしてしまった俺は、

今日から日曜日の夜まで、

家族がいない事をとっく知っている。

 

スカオ「さてと」

 

さっそくパソコンを立ち上げ、

いろいろ確認。もうだめだと、

本格的な覚悟が決まった。

俺にも原因があるのは認めるが、

だからといって無制限にやりたい

放題が許されるわけはないのだ。

やるべき事をやった俺は、

スマホを手に取った。

 

日曜日の夜。

午後10時を過ぎたころから、

恐ろしい勢いでスマホに

電話がかかってきた。ヤスコからだ。

恐らく、家を出た俺の行動に

気づいたのだろう。

 

金曜の深夜に帰宅して、

二人がいない事を確認した俺は、

財産の一切合切を引き揚げて

電撃転居した。社長に電話して、

社員向けに用意した借り上げ社宅の

空き部屋を借りたのだ。

 

社長「へ?社宅に入居?

ちょっと待て。役員が?

というか、家があるのに?」

 

スカオ「家は妻と娘にくれて

やります。もう俺には必要ないので」

 

社長「どうした?何があった?」

 

社長に問い詰められ、

恥ずかしながら、自分の甲斐性が

ないばかりに妻と娘をモンスター化

させてしまった事を打ち明けた。

 

俺は、あの二人に

さんざん舐められている。

そのようにしてしまったのは

自分自身だ、その落ち度は

重々承知ながら、今となっては

話し合いは難しい。いや無理だ。

 

彼女たちの甘えを取り払い、

生活について真面目に考えさせる

には、あえて突き放すしかない。

そう結論して、家を出る事にした。

 

社長「家を奥さん名義にするのか」

 

スカオ「はい。まぁ維持が

大変でしょうから、

すぐ売り飛ばすと思いますがね。

そこはどうでもいいです。

罪滅ぼしのつもりで、

甘い顔をしたのが悪かった。

逆だったんです。」