前回の内容はこちら▼
【第2話】俺をATM扱いする嫁と娘「旦那はATM!金だけあれば良いw」→その言葉で離婚を決めた結果…
こちらもおすすめ▼ 前回の内容はこちら▼ 本編 俺は、妻に浮気疑惑を持ち、 興信所に依頼した。 当然その結果は、 彼も知っているに違いない。 具体的な事はまだ分からないが、 俺の「クロか」という指摘に、 かすかに頷いた。 見たところ41歳の...
1話から読みたい方はこちら▼
【第1話】俺をATM扱いする嫁と娘「旦那はATM!金だけあれば良いw」→その言葉で離婚を決めた結果…
こちらもおすすめ▼ 本編 興信所職員「大変残念な結果を お知らせする事になりました」 俺の目の前で、40代くらいの 男性興信所職員が、 とても気の毒そうな顔をした。 理由は分かっている。 俺の依頼で、妻ヤスコの素行を 調査したのだ。 どうい...
本編
俺は、娘がどこに行っているのかを
訊ねたつもりだったのだが、
妻には届かなかったらしい。
まったくかみ合わない答えが
返って来た。
ヤスコはずっとドラマを見ていて、
俺を振り返ろうともしない。
顔は見えないが、きっと
「もう帰って来やがって」
といった面白くない表情に
なっているだろうな。
スカオ「ああ、分かった。
で、チナツは?」
ヤスコ「あんたが気にする事
じゃないのよ。何よ、
いつも無関心のくせに」
妻は面倒くさそうに答えた。
無関心ねぇ。
俺は心の中でため息をつく。
スカオ(チナツの話を聞いても、
おまえは答えないだろうが。
だいたいチナツ本人に話を
聞こうにも、俺と口を聞こうとも
しないんだぞ?
どんなに関心を向けても、
答えないのはお前たちじゃないか)
頭の奥で、不満が
渦を巻いているのが分かった。
でも言わない。
言ったところでどうにもならない、
いや屁理屈が何十倍にもなって
帰って来るのが関の山だ。
俺は会社の役員として、
まあまあ激務だ。
こんな早い時間には、
まず帰って来られない。
今日はまぁ、その。
興信所に行く用事があったので、
無理やり仕事を切り上げたのだが、
普段はなかなか手が空かない。
その代わりといっては
身も蓋も無いが、給料は良い。
役員手当が大きい。
常務以上の、いわゆる執行部会
メンバーは、ボーナスが無い。
手当がつくためだ。
月の収入は70万に達する。