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【第7話】妻が入った風呂の後に、なぜか毎日ひもがある→後日、俺は救急搬送され…
前回の内容はこちら▼ 1話から読みたい方はこちら▼ 本編 朦朧とする意識の中、気を失って 溺れてしまわないように必死で 湯船のへりにしがみつきながら、 通話ボタンを押し、 声を上げ続けていると…… 唐突に、給湯器のパネルから エミコの声が聞...
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【第1話】妻が入った風呂の後に、なぜか毎日ひもがある→後日、俺は救急搬送され…
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本編
風呂場になだれ込んで来た
救急隊員達は、俺を見ると、
すぐに湯船から救い出してくれた。
救急隊員「スカオさーん!
聞こえますかー?
もう大丈夫ですよー!」
救急隊員達は、グッタリと
力の入らない俺の体を抱え上げ、
タオルで包み、
そのまま担架に乗せて自宅前に
停車していた救急車へ運び込み、
俺に絶え間なく質問を投げかけた。
エミコは救急隊員に促されるまま、
一緒についてきてはいたが、
質問に短く答える以外は、
ずっと黙り込んでいるようだった。
俺はその時、ほとんど呼吸が
出来ていない状態だったので、
正確な事はあまり
覚えていないのだが、
されるがままに次々と、
何かの機械を装着されたような
気がする。
やがて、ようやく少し呼吸が
出来るようになってくる頃、
救急車も動き出した。
(救急車に乗るなんて、初めてだな…
どこの病院へ向かっているんだろう…
エミコは大丈夫か?ショックで
怯えているんじゃないだろうか…)
とりとめのない事を
考えているうちに、
俺は意識を失った…
次に気付いた時には、
俺はもう病院のベッドの上だった。
処置のおかげか、
酸素マスクの効果か、
呼吸は格段に楽になっており、
俺はなんとか命拾いを
したのだと感じた。
それと同時に、急に呼吸が
出来なくなった時の恐怖を思い出し、
一体何が原因だったのかが
気になった。
(重篤な病気だったらどうしよう…)